学生の立場から自然言語処理について考える

今日は言語処理学会年次大会最終日。朝遅刻気味で豊橋駅前のバス停には間に合わず、ホテル近くのバス停までダッシュしてようやく間に合う。@niam さんと研究(ブートストラッピング)の話をしたり。

最終日は「自然言語処理における企業と大学と学生の関係」というテーマのワークショップ。想像以上に人が多く、午前中は100人以上いた。午後は人が減ったとはいえ、それでも50人くらいは残っていたように思う。当日のログはTogetter - 「自然言語処理における企業と大学と学生の関係」をご覧になっていただけると幸い。id:syou6162 さんによる記事がよくまとまっているが、確かに学生に対して優しいワークショップだったかも。

でも、若い人たちこそがこれからの自然言語処理を率いてくれる人たちだと思っているし、アクティブな人が求められていることは間違いないが、アクティブな人たちだけで回る訳でもなく、裾野を広くしておくことも大事かなと思う。理想としては「特別なことをしているという意識もないまま特別なことに誰でも挑戦していく」という環境であり、あれやこれやお膳立てするというのとは違うかな? 私見だが、いくらお膳立てをしようが周りが動かないと動かない人はどの世代も多数派であって、まだ動く人たちは少ないように感じる。

NAIST は自分で動く人が多い環境だとは思うが、それでも多数派ではないだろうし、これが一気に多数派になればおもしろいと思っている。自然言語処理は幸い学生が多い分野なので、特に @takesako さんが「自然言語処理の学科や講義はないんですか」と発言されていたように、これからは自然言語処理が基礎知識として入っている学部生が出てくる時代で、そういう時代にできることはなんだろう、と夢を膨らませているのである。ちなみに人工知能学会誌の2011年3月号に、「自然言語処理の基礎」という教科書

自然言語処理の基礎

自然言語処理の基礎

の書評を書いたので、興味ある方は読んでいただければ。当初5月号掲載だったのだが、せっかく教科書なので新学期が始まる前に載せてほしい、という要望は快諾くださったのでありがたい。書評自体をウェブで公開するのは難しいということだったが、大学図書館にはあると思うので……。

地震のとき、ちょうど@iwatasusumu さんの招待講演の最中だったのだが、@iwatasusumu さんは「立っていたら分からないです」とおっしゃっていたし、自分も Twitter はワークショップ関連のハッシュタグしか見ていなかったので、こんなに被害が大きいとは思っていなかった。

東京は最初震度3くらいだと報道されていたし、帰る段になって新幹線は停止、iPhone も電池が切れて連絡も取れず名鉄〜名古屋〜近鉄(三重経由)と乗り継いで日付が変わるころ自宅に到達し、ニュースを見てびっくり。