論文紹介は習うより慣れろ。量をこなすと質に転化する瞬間がやってくる。

1日長時間坐っていると翌日に響くな〜。コンスタントに仕事をするべきなんだろう。気をつけよう……

昼、takahiro-t くんの中間発表。先日の研究会発表でもだいぶスライドできていたので、そのままかな? Wikipedia Ontology プロジェクトなるものもあるのだが、論文的には人工知能学会論文誌のこれだろうか。ただ、上位下位関係だけがほしいなら@smdaskさんの書かれた

を使えばよいし、自分で実装しなくても ALAGIN から公開されている上位下位関係抽出ツールを使えばよい(上記の論文を実装したもの)ので、本当に研究するべきなのは部分全体関係とか、上位下位以外のものではないのかなぁ。

部分全体関係は応用を考えると必要な知識なのだが、観点が違うと関係が変わってくるので、特定の分野に限ってつけるとかしないとタグ付けも不可能で、「オントロジー」と聞くと自分なんかは(検索ログなんかを使った、半)自動構築でないかぎり厳しいかも、と思ったりするのだが……

午後、id:syou6162 さんの進捗報告。式変形にはついていけていないがアイデアはなるほどという感じ。実際どうなったのか実験結果が知りたい (笑) id:syou6162 さんの今日の日記エントリの 論文100本ノックの感想、このあたりは参考になるなぁ。

  • 一つの論文でずっとつまづかない
    • 実はその論文だけ読んでても分からない、という事態は「よくある」のでreferenceで引かれている論文とかもチェックして背景をつかむ
      • その為には1本紹介するために10本くらい読まないといけない場合もある(バックグラウンドが分かっていれば省けるが、初めての場合省けない。省けないんだからしっかりやる)
    • 重要なもので頭に入ってこないものは3ヶ月くらい空けるのもよい。難しくても理解する価値のあるものは一つの論文でも数ヶ月かかってでも根気強く読む
  • 紹介することだけに一生懸命にならない
    • その論文を使って自分がどうしていきたいのかとかを主張していくことが重要。お勉強で終わらない

「論文紹介」は「全訳」を作って読むことではないので、理解のために作るのはかまわないのだわが、説明のときは全訳を音読せず、内容を説明してほしいな〜と思う (全訳がそもそも手元にあるなら全訳を全員に配布してもらい、全訳と論文が参照できる前提で、手法のキモとか、読んでいて分からなかったのはどこかとか、そういうことを議論したい)。

松本研では修士の人(分野を変えてきた人がほとんど)が初めての論文紹介をするのがいまくらいの時期だったりすることも多いのだが、最初に紹介する論文ではやっぱり背景が分かっていないのでうまく紹介できないことが多い。とりあえず新しい分野の研究するなら論文100本くらい、読み込むとは言わなくても印刷してざっと眺めるくらいしないと全体像が分からないんじゃないかなぁと思う。

まあ、初めてやって論文紹介失敗した〜、と思うのでも一向にかまわないし、初めてやることで最初から成功するなんてことなくて当然なので、いずれにせよ早いうちからやってみて慣れておく、というのはいい考えかもしれない。やったことないと、論文紹介の準備をするのに自分がどれくらいの時間かかるのかも分からないし、何回かやってみると大体感覚も分かるしね。(準備にどれくらい時間がかかるのかは、本当に人によるのだ)

こういう話のとき思い出すのは @taroleo さんの研究者はどれくらい論文を読むのか? だが、はてブコメントへのコメントで書かれているように、

ただ、僕自身の体験で言えることは、大事な研究のアイデアが形作られるのは、いつも論文を読むのを止めた時、だということです。過去ではなくて、目の前の問題と真剣に向き合ったとき、「光が指す瞬間」が訪れます。

というのに全く同意。研究になる、つまり新しいなにかを生み出すのは、論文を読んでいるときではなく、目の前の問題に対して頭を使って (というか五感を総動員して) 取り組んでいるときではないかな。コードを書いているときより、ペンを持って紙の上で考えているときのほうがプログラミングしている実感があるし、論文もキーボードで入力しているときより紙の日記で1人ブレインストーミングしている時間のほうが大事だと思う。自分も@tsugorou さんの言う 思索の部屋にひきこもるのが好きなタイプなので、「研究のオチが分かったとき」のイメージ、よく分かる (笑)

しかし id:syou6162 さんの日記の末尾に

(松本研限定)自分のブログで論文紹介するときは生駒日記で紹介された後にしたほうがよい(「本人のBlogに詳しいが(ry」となるので感想が聞けないw)

と書かれているが、他の人がブログに書いたあとに書こうと思っているのでデッドロックになる可能性あり (笑) 自分が先に感想を書いてしまうと逆に学生の人が書きにくくなる (あるいは書かなくなる) かもしれないので、あえて書くのを待っていたりもするが……。

ちなみに12月19日@六本木のTokyoNLP & MG勉強会 & IIR 輪講合同忘年会 2010の参加条件の一つに

生駒日記を1年以上前から読んでいる人

というのがあって恐縮したのだが、現在は割と社会人の人が多い感じなので、ぜひ学生の方々も参加されたく (笑) 

※生駒日記ファンの集いではありませんが、自分も参加します!前日の楽天研究開発シンポジウムも参加しますよ!