H22年度の科学技術振興機構による研究費、さきがけ「知の創生と情報社会」の公募結果が発表された(@kashi_pongさんおめでとうございます!)。自分も応募していたのだが、不採択。お昼前に簡易書留で結果が届いて、午後にはウェブにも掲載されたようだ。
応募者78件のうち面接24件までは進んだので倍率2倍かなと思ったのだか、意外に厳しく倍率3倍(8件採択)で、コメントを読むと面接のときに言われたことそのものであり、これで落ちるなら仕方ない、という感じ。ちなみに、3年型と5年型が選択でき、5年間の大挑戦型で出していた(5年間の研究費の合計額は6,870万)。大挑戦型がプロジェクトの進行具合によって研究費の増減や、期間の短縮ができるなど、柔軟な運営をしてもらえるのが売りである。
面接で、特に失敗したな、と思ったのは、最後「あなたの得意技はなんですか」と訊かれたとき、とっさに答えられなかったところである。いま考えると「ウェブマイニングです」とか「グラフです」とか答えればよかったと思うのだが、思いつかなかった。
「得意技」という言い方自体が恐らく自然言語処理では存在しない聞き方だと思うのだが、機械学習のコミュニティなんかでは、解いている問題自身ではなく手法自体に関心がある人が多いようで、どういう手法で問題を解くのが得意か、というのも重要なポイントなんだなぁ、と(こちらにも得意技が書かれているので予想はできたのだが)虚を突かれた感じであった。
やはり自分の関心は手法ではなく言語という問題のほうなんだな(言語の本質が分かればそれは機械学習でなくても統計でなくても、なんなら直観でもよい)と思ったが、なにか一つ「これが得意技」と呼べる手法を身につけたい、と思ったのであった。
あともう一つ「こんな問題70年代までに我々はさんざん試して全部うまく行かなかったので、うまく行く道筋を見せてもらわないとダメ。あなた(の提案)はうまく行きそうに思えない」と面接の半分以上言われたのだが、これもごもっともで、ちょっとこれまでにやってきた研究の深さが足りなかったのだと思う。広く浅くやる性格なもので……。
言語という領域に限ったとしても、なにか一つ掘り下げて関わらないといけないなぁ、と思ったのである。
ともあれこれで肩の荷が一つ降りたし、自分がどういう方向で今後研究すればいいのか考えるヒントになったので、出してよかったと思う。来年はまだ[http://www.jst.go.jp/pr/info/info754/besshi2-12.html:title=「情報環境と人」]の募集がある([http://twitter.com/ARAMAKI:title=@ARAMAKI]さんおめでとうございます!)。実はこちらのほうが自然言語処理に近かったのだが、「知の創生」は今年度の募集が最後だったし、自分と違う分野で成長できそうだったので、「知の創成」に先に出してみたのである。
はてさて、まずはこれまでの研究を見詰め直すところから仕切り直そう!