得意技挙げるとしたら何ですか

朝から溜まった仕事をやるべく、国際会議の原稿を2つコメントして、論文誌の返信レターもチェックし、論文誌 TACL のメタリビューもする。合計2時間半ほど。朝の時間に仕事をするのが捗るのだが、スタンディングデスクにしたのが完全に裏目で、鎖骨を骨折している現状では腕を上げることができないので、厳しい。かなり力を入れないと上げ下げできないので、高くても調節が簡単なものを買うべきだったと後悔。

午前中はさらにメタリビュー。これで action editor としての数年間のお仕事はおしまい(1回任期を更新した)。TACL は締め切りの制約が結構厳しく、去年は大分プレッシャーがあったが、今年はなんとか普通のサイクルでできてよかった。この後はまた standing reviewer に戻って貢献していきたい。

午後は3時間ほど時間をもらって仕事をする。1時間は授業の準備。Google Colab でニューラル機械翻訳の演習をしているのだが、毎年 OpenNMT-py および Google Colab が更新されているので、ちゃんと動くかどうかを確認・調整する必要があるのである。案の定、Google Colab 側でのパッケージの更新があったり、OpenNMT-py を新しくしたら依存関係が変わっていたりして、ちょこちょこと変える必要があった。いい点はというと、Google Colab の裏で動いている GPU が去年から変わったようで、ニューラル機械翻訳の学習速度が2倍弱に高速化されていたことである(結局更新ステップを増やすので、時間は変わらないけど)。2020年版はこんな感じ

2時間は研究計画書の作成。この研究費はかれこれ6回目の申請になるのだが、これまで2回は面接まで呼ばれて不採択、残りの3回は書類の段階で不採択。いろいろ考えると多分今年に申請するのが自分的にはベストだと思うので、ちょっと大変だけど頑張ってみることにしたのである(とりあえず出さないと面接に呼ばれないし、面接に呼ばれるなら骨折も治っているだろうし、もう少しゆっくり時間が取れる)。

最初の2回の不採択の理由は、後で審査した人に聞いてみたら「指導教員の研究か本人の研究かよく分からなかった」というもので、その時は「この研究については松本先生に一言も相談していないのに(何なら普段の研究もそんなに松本先生とミーティングしてないのに)」と思ったものだが、首都大に来て研究室を構えて研究してみると、同じ空間にいるというだけで大いに研究テーマにバイアスがかかることを痛感し、あのフィードバックはありがたかったなあ、と思ったのである(でもそれが分かったのは深層学習の研究に着手してから)。そういえば面接で「得意技は何ですか」と聞かれて面食らったが(この質問でもどなたの質問が分かる人には分かると思うが)、今となってはそれはいい質問だなと思うし(大学院で色々叩き込まれたのだが、得意技として自分に身についていなかった)、最近まで自分は何が得意かよく分かっていなかった(今同じことを聞かれたらようやく答えられる)。

そこから3回の不採択の理由は単に研究計画書の完成度の問題で、審査してくださった方には申し訳ない気もするが、科研費の若手 A にも何回出しても落ちていた時期で、研究室のリーダーとして研究を回すというのがよく分かっておらず、研究室のスタイルもまだ固まっていなかったので、今考えると当然だなあと思わざるを得ない。大きな研究費が取れたらこういうスタイルで研究がしたい、というのはあったが、こういうスタイルで研究しているから、この研究を採択してほしい、という形ではなかった。今は研究室のスタイルも定着し、これから20年くらいかけて(少しずつ螺旋状にぐるぐる回りながら)やりたいこともはっきりしてきたので、拾ってもらえると嬉しいな。

しかし入った喫茶店が喫煙可で、ものすごく喉に対するダメージが大きかった。新型コロナウイルスに感染しなくてもこれは体を悪くしそうである。