理系バカにつける薬

久しぶりに理系・文系話を蒸し返してみようかと思い

理系バカと文系バカ (PHP新書)

理系バカと文系バカ (PHP新書)

を紹介しよう。かなりタイトルといい内容といい「釣り」っぽい本で、口述筆記したような感じだし、かっちりした内容を読みたい人には不向き。

こういう話をすると「そもそも理系とか文系という区別は学問上完全に分かれるものではないしおかしい云々」という反応をする人もいると思うが、まさしくそれはその通りで、元々「理系」というのは医学部とか工学部とか理学部とか、育成に金がかかる学生をフィルタするために数学の試験を課したというのが始まりだそうで、カタチから入れば「数学が試験科目にあるかどうか」だけが基準であり、それ以上でもそれ以下でもない。それを勝手に脚色して「理系はどうだ」とか「文系はどうだ」とか言い出すとステレオタイプになりがちなのだが、まあこの本はそういうステレオタイプをわざと提示しつつ、小馬鹿にしているような漫談に近いので、真面目に反論したりするのはこの本の楽しみ方としては適当ではなかろう。

そういえば著者の竹内薫は東大の科学史・科学哲学出身だそうで、自分の先輩筋に当たるようなのだが、最初本の経歴を見たとき書いていなかったりして「あれ?科哲出身じゃなかったっけ?」と思っていた(探したら見つかった)のだが、読んでみたらなんで書いていないのかなんとな〜く想像できたかも……