沈み行くアカデミアなどという泥舟

Ph.D: do's and don'tsを読む。せちがらい話だが

現在のアカデミアにおける常識として必ず言われるのが、「毎年輩出される博士課程修了者のうち最終的にアカデミック・ポスト(アカポスorテニュア:常勤かつ終身雇用の基礎研究職)に就けるのは全体の3割未満」ということ、すなわち異常なほどの人余り状況にあるということです。
(中略)
以前に比べ、ポスドク1万人計画の実施によって大抵の博士課程修了者はポスドク(1〜5年の任期つき研究職:終身雇用ではないため任期が切れると強制的に解雇される)に一度は就けるようになりましたが、ほとんどのポスドクは35歳前後までしか雇用されないという国の方針があるため、35歳を超えて未だアカポスに就けないポスドク経験者は次々と失業者として世間に放り出される運命にあります。

ということで、相対的に高年齢の自分なんかは戦々恐々としているのだが、どうなんだろうなー

「だったらポスドクを終えた後は一般企業に就職すればいいじゃないか」と思うかもしれませんが、ポスドク経験者の雇用に積極的な一般企業は日本にはほとんどありません。
(中略)
博士課程を修了してすぐ企業に就職するには以下のような条件が望ましいとされるようです。

  1. 元々社会や一般企業との接点が多い分野であること(半導体、合成化学、情報科学・・・)
  2. D2ぐらいからは博論ではなく就活に重点を置くこと
  3. アカデミアに進まず民間で働こうと考える理由をきちんと説明できること

(中略)
優秀な人材を沈み行くアカデミアなどという泥舟に乗せるのは間違っています。あなたが優秀な人材だと自負されているのなら、また優秀な人材になろうと思うのであれば、博士課程に進むのではなく民間企業に就職するなど世間に広く出て活躍する道を探ってください。これが、泥舟に乗り続ける人間からのアドバイスです。

こんなこと言われると逆に「じゃあ泥舟に乗ってやろうじゃないの」と思う自分はあまのじゃく(というか M)? でも @alohakun が Twitter で言っていた「迷ったら修士は行け、迷ったら博士は行くな」というのは短いフレーズだが端的に現状表していると思った。

id:ninjinkun私の職業観を大きく変えた3日間読むと楽しそうだし、迷っていろいろ悩むというのもいいことなんじゃないかと思う。

夢のない話になってしまうのですが、帰国してからしばらくすると、留学への思いは薄れてしまいました。正直に書くと、M2になり、もう大学院を卒業する自分があえて海外の大学院へ入り直すというモチベーションが保てませんでした。周囲に流され、気がつくと普通に就活を続けていた自分・・・。Web系の会社やSIerをいくつか受け、内定を頂いたのですが、やはりあのRockYouのようなスタートアップの雰囲気が忘れられずにいる自分を意識せずにはいられませんでした。

そしてそれらの思いから、夏、内定を持っているにも関わらず、はてなインターンをしました。大学院の研究もあまり進んでいない中で、M2でインターンというのはかなりのチャレンジでしたが、最終日に内定を頂き、来年からはてなで働くことになりました。

正直に書いていて偉いなと思うのであった。