お金は銀行に預けるな

ちゃんとした(?)勝間本を1冊は読んだ方がいいのかなと思って

お金は銀行に預けるな   金融リテラシーの基本と実践 (光文社新書)

お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践 (光文社新書)

を読んでみた。悪い本ではないと思うがいい本でもないような……。Amazon の書評を見ると散々書かれているので、むしろそこまで悪くないとは思うのだが、ネガティブな部分にほとんど触れないで、株式や為替に突っ込まないとあなたは大損をしている、というように煽るのはどうかと思う。いい本だと思えるのは、本職でない人が個別の会社の株を買うのはギャンブルだから、儲けようと思って個別の株を買うのは止めなさい、とか、取引パターン(チャート)で儲かる人はいないから止めなさい、とか、具体的に「これはしてはいけない」とアドバイスしているところである(でも「これをしなさい」と言うところは、なんだかなー、という感じではあるのだが……)。

あと自分の論を印象づけようとしているのか、「統計的には」とやたら繰り返しているのだが、ここまで(出典を別に出しているわけでもないのに)言われると逆に怪しく感じてしまう……。たとえば

 ここで注意したいのは、急激に上がったものは急激に下がる可能性があるということです。これは専門用語で「リターン・リバーサル」と呼ばれるもので、大きく値の上がった金融商品はその後下がる確率も大きく、その逆に大きく値の下がった金融商品は、その後値上がりする可能性も高いことが統計上証明されています。

などと書いてあるのだが、そもそもリターンリバーサルアノマリー(非合理な現象)の一つであると言われているように、統計処理すると出てくる現象ではあっても、「証明」されているようなものではないのでは、と思ったり。(いろいろ論文もあるらしく、かなり研究されている分野みたいだけど……)

実は修士2年のとき株式かなにか試してみようかと思っていろいろ口座の開設の案内を取り寄せたりしてみたのだが、そのうちやる気がなくなってきてそのままになったのを思い出した。月4万円くらいなら最初からないものだと思って工面してもいいかな?