外部論文審査員招聘のススメ

長いので簡単にまとめると、NAIST は海外の研究者を博士論文の副査につけることができて(最終的には指導委員に名前も入るし、招聘のための旅費・宿泊費・日当・指導料・講演料まで出してくれる)、こんな制度は滅多にないすばらしい制度なので、NAIST の人は是非利用しましょう、というか利用しないと損、いうことだ。

↓以下長々と書く。

今日は Yahoo! Inc. の Patrick Pantel さんに自分の博士論文の指導をお願いして日本に来てもらったので、朝8時から迎えに行く。自分のスライド直していたら睡眠時間2時間しか取れなかったが……

ホテルは奈良観光に便利なところがいいかなと思っていたのでホテルサンルート奈良を予約しておいた。Web から見ると毎週土曜日が必ず泊まれないようになっているので、最初おかしいなと思ったが、電話すると土曜日の宿泊も受け付けてもらえる。謎である。ただ、料金は前払いでないと受け付けてくれないので、先に銀行で振り込んでおいた。

ちなみになんでこのホテルかというと、場所がいい(近鉄奈良駅から徒歩で行ける。近鉄奈良駅関西国際空港からバスで直通)のと、AsiaRooms.com で評価されているからである。特に海外の人が実際に使った感想を書いているのは(自分は日本人なので)ありがたい(このページのアドレス送ったら喜んでくれていた)。

さて9時に待ち合わせて車で NAIST まで移動し、そのまま議論。最初11時少し過ぎくらいに切り上げて早めの昼食にするつもりだったが、車の中にいたときから議論が白熱(?)していたので12時過ぎまでひたすら話す。うーむ、Yahoo! の中っておもしろそうだなぁー。いろいろ現在の問題点とか聞いてディスカッション。どうも彼が取り組んでいる問題と、自分がこれから取り組もうと思っている問題がオーバーラップしているようで、お互い実りある議論ができた。EMNLP のスライドも全部見て構成から言い回しまで直してくれた……。どういう人が聞きに来るかも知っているので、どう書くと効果的なのかも熟知している。さすがだなと感服。

昼ご飯は katsumasa-y くんを加えて3人で蕎麦人へ。Pantel さんも気に入ってもらえたようでよかった。

Pantel さんのトークは「今回はマニアックな内容でお願いします」と頼んだとおり、MapReduce を使って素性ベクトルを効率的に計算する方法の話だったり、確かにマニアックである。後半の話、どこかの論文でもう発表されているのだろうか? もう出ていたらみんな読むといいと思うのだけど……

夕方は研究紹介をスタッフの方々にしてもらい、旅費の手続きなど。どうもアメリカと日本の間での税金のやりとりが変わったらしく、学生の指導の名目で謝金を出すと旅費と謝金の合計に20%の源泉徴収税がかかり、これを回避するためには From 6166 というアメリカでの課税証明書が必要(ちなみにこの証明書を発行するための証明書、というものが存在し、それを先に取らないといけない。言い換えると、取得が異様に面倒)。

謝金のみに20%の税金がかかるなら分かるが、旅費や宿泊費に20%かかるというのはありえない(たとえば今回飛行機代に20万円かかっているのだが、源泉徴収されると-4万円なので、謝金の金額が税引き後4万以下だとマイナスにすらなる!)。すったもんだの末(satomi さんには非常にお手数をおかけしました……10通以上メールでやりとりした)、回避方法があったようで、結論を言うとけいはんな自然言語処理メーリングリストに告知して外部の人も来てくれたのが功を奏して、なんとかなったそうだ。

研究紹介なんて聞いておもしろいのかなと思っていたが、名古屋大学の萩原さんと一緒に非常に楽しんでもらえたようでよかった。

終了後、松本先生も加わって5人で夕食会。実は今回選んだところは Pantel さんが初めて日本に来たとき最初に食べたところと場所も部屋まで同じだったらしい。いやー、そういうこともあるんだなー。

今日は合計1時間x4=4時間も運転したので運転疲れ。早く寝よう……