新婚旅行

今週は新婚旅行。「南の島がいい」「必ずしも海外じゃなくてもいい」「飛行機代のぶんいいホテルに泊まりたい」「自然のマングローブが見たい」と言うので、それぞれの条件を勘案して西表島に行くことになった。

新婚旅行は国際会議の投稿が終わって一段落してからにしよう、と話し合っていて、飛行機やホテルの値段が高くなる時期を避けてみたところ、時期的には7月の上旬から中旬、そして上旬は徳島に行くことにしたのでこの時期になったのであった。

西表島には飛行機の直行便はなく、石垣島まで行ってそこから船(フェリー)に乗って行くのだが、石垣島へは直行便と那覇経由の便との2通りがある。那覇経由のほうが若干高い。直行便は神戸と関空から出ているようなのだが、値段との相談により神戸空港を使うことに。(奈良から神戸までは電車で2時間程度、片道1400円前後で行ける)

昔5歳くらいまで兵庫(仁川)に住んでいたことがあるので、なんとなくこのあたりには親近感がある。そもそも小学校高学年くらいまで自分は大阪に住んでいたと思っていたが……(親が兵庫なんて行っても子どもは分からないだろうと思ってそう言っていたのかもしれないが)

小さい国内空港を使うのは初めてだが、コンパクトにまとまっていていい感じ。直行便なので2時間強で石垣島へ。早いものである。

石垣島の空港から船が出る港へは少し離れていて、バスかタクシーでないと行けないのだが、バスを待っていると時間がかかるのでタクシーを使う。奈良は初乗り610円なのだがこちらは初乗り430円。安い。石垣島は島とはいえ町並みはほとんど住宅地。レオパレスとかアパマンもあり、低層ではあるがマンションも立っている。誰が使うのか知らないが、ご丁寧にアイフルの ATM まで(普通の道端に)ある。旅行客が借りるならまだ分かるが、現地の人が借りたらもう返せないんじゃなかろうか?

さて、我々はフェリーに乗って西表島へ。最初曇り気味で「この滞在大丈夫かなあ」と思っていたが、自分たちが泊まる西表島北部は晴れ間が覗いていたのでラッキーだった。まずびっくりしたのは緑の多さ。海からでも見えたが、島全体あらゆるところが緑で覆われている。海との境界に数十m程度砂浜が見えるくらい(それでも場所によってはマングローブだらけで砂浜すらない)で、ここに人が住んでいるとは思えないくらいである。

とはいえ、港周辺は多少整備されていて、商店街もあるそうだ(でも20mくらい)。森や林ばかりかと思ったら、島の中には牧場もあるようで、牛が放牧されていた(生育したら神戸や石垣に行き、ブランド牛として売られるそうだ)。

ホテルに着いてまず驚いたのはハエの多さ。現地の人は慣れているようでほとんど払いもしない。あれだけ牛を放牧し、南国の果実を栽培していたら仕方ないかもしれないが……。ちなみに沖縄の歴史はハエとの戦いでもあったりして、ウリミバエは果実を食べてしまう害虫なので、ウリミバエ根絶計画なんてのもしていたりする。どうするかというと不妊化したウリミバエを放すことによってウリミバエのニッチを奪うという手法なのだが、これで外来種のウリミバエの駆逐に成功したという話。世界でも害虫の根絶に成功した場所は少ないので、けっこう有名な話。

ホテルの部屋の裏はすぐ海岸になっていて、プライベートビーチではないのだが、数百メートル続く砂浜に2,3人しかおらず、ほとんど貸切状態。砂もゴミ一つなく(というかサンゴのかけらがあちこちに落ちいていたり、カニやヤドカリが数m置きに歩いていたり)、感動。鳴門の海は20年前はきれいだったけど、今はゴミばかりだったので……

さて、初日は到着が午後6時近いこともあって、ご飯だけ食べて寝ることに。歩いて20分くらいのところのお寿司屋さんに行く。「予約して行かないと席がないかも」と物の本に書いてあったりしたので予約して出かけたが、確かに次から次に観光客が来ては「予約していらっしゃいますか」「していません」「ただいま満席で……」というやりとりをしていて、結局20人くらいはすごすご帰っていっていた。繁盛しているんだろうか。味はそれなりで、珍しい魚も含めておいしくいただいたのだが、なにぶん恐ろしく出てくるのが遅いので、これが島時間か? と思ったのであった。

帰ってきてからは CHANGE の最終回を見て横になる。移動だけで1日使うのはもったいない気もするが、そろそろスローライフの年齢なので……