最初から完璧を目指さなくても、徐々によくなっていけばいい

学振の結果が出ているらしいが、松本研は面接免除で内定が3人いるようで、けっこうみんながんばったなぁという印象。通ったら嬉しいので素直に喜ぶといいが、結局淡々と研究するしかないので、目の前の〆切をクリアしていってほしい……。あと、落ちた人も、コメントやフィードバックは謙虚に受け止めるとよいが、必要以上に落ち込まなくていい。出し続ければ通る可能性は上がるし、学振がないからこそ挑戦できるチャンスも増えたりするので。(たとえば長期のインターンシップとか)

午前中、学生室の椅子の交換。交換対象の椅子にシールが貼られているはずなのだが、自分が送ってもらった情報と違ってあやしい……。先方の情報は合っているらしいので、問題なかったが。自分も研究室の椅子は自腹で購入しているし、椅子は快適な大学生活のために大事。学生の人たちがいい環境で研究できるようにしよう、というのはNAISTのよいところである。

11時過ぎに[twitter:@u_carrot] くんが来て、松本先生どうなっているかご存知ですか、というので何かと思えば、どうも授業に見えてなかったらしい。ご自宅に電話してみても誰も出ないし、おかしいなと思って情報事務に行ってみると、今日は最大30分遅れで来られるとの連絡があったそうで、それならもう来られているのでは、と思って講義室に行くと、入れ違いでいらしていたようだ。交通事故とか急病とかかと心配したので、無事でよかった。

お昼、松本先生と今回の国際会議 (COLING) に関して雑談。いろいろ今回は変、という結論で一致。今回は [twitter:@keiskS] くんと[twitter:@tomo_wb] くんが通ったし、2人以上通ったら自分も行くことにしたので飛行機を探したら、ムンバイへは成田から直行便が出ているようだが、エコノミーにしてはちょっと高いので躊躇していたところ、代わりに松本先生は行かないということで取引 (?) 成立。

本会議の中日に1日 excursion の日もある (そのため本会議は5日ある) ことを考えると、かなり疲労することが予想されたので (若い人たちはきっと体力あって大丈夫だから、全日程参加するといいよ!←無責任発言) 、チュートリアルはパスして本会議から会議後のワークショップまで出ることにして、12月9日日本出発15日インド出発の便を予約したが、帰りの便は自分の時点で残り1席。危なかった……。まあ、香港経由とかバンコク経由とか、直行便以外にもいろいろある (松本先生のお勧めは関空からキャセイで行くルートらしい) ので、行けないことはないだろうが、腰痛を考えると飛行機の時間を最小化したいのである。

午後は hiromi-o さんと松本先生と3人で今後の研究についてご相談。最近松本先生の研究的な関心の大半は、11月のNL研で発表される English Multiword Expression プロジェクト (メールでは11月のプログラムが来ていたが、まだウェブには公開されていないらしい) に注ぎ込まれているので、複数人スタッフがいてバックアップ体制があるというのはよいことだと思った。

夕方から夜にかけて、日本語書き言葉コーパスのタグの見直し。いま書籍データに関するタグのリリースを目指して準備しているのだが、書籍に関してはところどころ文字化けもある (UTF-16 だったかのデータを SJIS に変換して作業していたため、その段階で文字が消えてしまっていたり) ので、手で確認して直しているのである。全部を出そうとするといつまで経っても出せそうにないので、とにかく一つずつでもいいからリリースしていきたい。

予備校のときの恩師の西先生が社会のことは東大任せ?!なぜ京大出身の社長や官僚は少ない?という記事を書かれていて、以下のくだりは自分も同意。

――逆に成績が伸びない子の共通点はありますか?

西 余計なことを考える子は、受験に失敗してしまうことが多いですね。今、予備校での2学期のテーマは「な〜にも考えない強さ」。例えば、野球のバッターを考えてみます。3割打者は実は7割は打てない。でも、バッターボックスに入るとき、自分は7割打てないとは考えず、3割の確率で打てると考える。生徒に対し、普段は視野を広く持ちなさいと言っていますが、こと受験という短期決戦では、視野を狭くして通ることしか考えさせない。また、通ることを想定して考えさせる。そうでないと「勉強が間に合わない」「落ちたらどうしよう」ということを考えて始めてしまう。

 そういう不安がどんどん大きくなると、勉強時間の中でその不安について考える割合が大きくなってしまうんです。こういうふうになってしまう生徒は、真面目な生徒に多いです。真面目な生徒で、勉強が伸びない生徒は適当に勉強することができない。例えば、受験間近の冬の時期に、時間的には難しいにもかかわらず、真面目な生徒は勉強する単語をすべて覚えようとする。

 ある程度適当に物事をこなせる生徒は、その一部だけをしっかりやろうとする。そういう生徒はうまくいきます。完璧を目指すと自分で自分の首を締めてしまう。完璧が壁になってしまうのです。そうではなく、身近な目標を考えて、その目標の半分できればいい。その半分ができたら、目標をリセットし直して再度短期でがんばる。その時にはがんばったこと自体を評価する。

 がんばったことによる結果を評価すると、その結果が壁になってしまいなかなか伸びません。特にできない子には、「目標の半分を達成したら、目標をリセットする」を繰り返しさせると、初めに思っているよりは高い壁を超えられます。

研究でも同じで、完璧目指して全然論文が投稿できないとか、実装が進まないとか、ソースコードがリリースできないとか、いろんな事例が考えられるが、全部を最初からやろうとするより、小さなステップに分解して少しずつ積み重ねていくほうが、後に記録も残るし、少しずつでも着実に進んでいけるのではないかと思うのだ。