トレッキング

2人とも眼鏡なので海に潜るのは面倒くさいからやめよう、と話し合ったので、2日目はトレッキングに出かけることに。

1ヶ月前はカヌー・カヤックでもやるか、という話になっていたのだが、思いのほか体力がないので観光船を使って途中まで行く楽々コースにする。

西表島には浦内川という沖縄最大の川(全長16km程度、広いところは川幅200m程になるらしい)が流れていて、魚が200種類も棲息する世界でも稀に見る多様な生態環境らしいのだが、この浦内川を登ることにする。

この川の下流は汽水域になっているのでマングローブ林がわさわさと広がっている。全世界にマングローブは10数種類あるらしいのだが、西表島はそのうち7種類が見られるという全世界で唯一のマングローブの都会。実は中学のときに生物の授業で全員にたしかメヒルギの種子(成人男子の人差し指ほどの太さ・大きさで、シシトウのような形をしている)が配られ、自分も栽培した思い出があるのだが、東京はマングローブには寒すぎたようで結局生育せずに枯らしてしまった(マングローブは亜熱帯の植物で、東京は温帯なので、たぶん成長させることができた人は一人もいないと思うけど)。ここでマングローブに再会できてうれしかった。マングローブを見に来るというこの旅の目的はひとまず達成。

船で行けるのは途中までで、そこからは山登り。あとで知ったのだが沢登りすることもできるが、こちらは沢登りの経験者でないと無理で、しかも事前に申請しないと入山できないようである。

エコツアーのガイドの人に亜熱帯の植物について解説してもらいつつ、最初の目的地のマリユドゥの滝を目指す。ここ、以前は滝の近くまで行けたそうなのだが、事故が多発したので現在は展望台から見るだけになっているらしい。いい景色なだけに残念。

そこから30分程度歩いて次の目的地のカンピレーの滝へ到着。昼ご飯を食べて一休みし、滝で遊ぶ。小石が砂岩や礫岩をうがったりするそうで、地面に直径1-2mくらいの穴がぽこぽことそこかしこに開いている。見ている分には楽しい(苔に滑って足を取られてはまったりしないか怖かったけど)。

帰りは知っている道なのでさくっと帰った。行きは川が上げ潮だったのだが帰りは引き潮のようで、巨大な干潟が川岸や中洲に出現していた。これは多様な生物が暮らせるわけだ。

朝9時出発で帰ってきたのは15時だったので、軽くシャワーを浴びてからホテルのプールで一休み。少し泳いでみたが、泳ぐよりプールサイドでぼーっとしているほうが楽。小学生のころプールに行ったら泳ぎまくる性格だったので、親とプールに行ってもなんであまり親が泳がなかったのか理解できなかったが、今なら理由がなんとなく分かる……。

夜は近場のレストランで西表・石垣の料理を食べる。魚介類がおいしいのは当然だが、石垣牛という牛のブランドが有名だそうで、牛のたたきを食べたのだが、これもおいしい。あとマングローブに棲息するガザミという名前のカニが西表の高級食材らしいのだが、このガザミを使った味噌汁もいただく。カニをほじくって食べるのは久しぶりだったが、身がしまっていてこちらもおいしい。なんでもおいしく感じるのは身体を動かしたせいかもしれないが、屋久島にも行ったことのある妻も「屋久島はトビウオ料理か山菜料理で、ぶっちゃけどっちもあまりおいしくないけど、西表はどれもおいしい」と言っていたので、本当においしいんだろうと思う。

満足満足の一日であった。