二重否定

nozomi-k さんと話していて少し驚いたのだが、二重否定は肯定にならない?

たとえば「彼は気むずかしい人ではない」は自分の中では(程度は強くないが)肯定的な表現だと思うのだが、nozomi-k さんによるとこれは否定的な表現らしい。うーむ、そうなのか。英語だと二重否定が肯定になって日本語だとならないとかそんなことはないと思うのだが……。

実際出てきたのは「この問題を解くのは難しいわけではない」という文で、素直に考えると「この問題を解くのは簡単だ」と思ってしまうわけで、それでもあえて普通に言わず二重否定を使うのはたとえば「簡単だが面倒」とか「簡単だがやる価値がない」とかいろいろ考えられるのだが、前段の二重否定 = 肯定ってのはレトリックとしては普通のものだと思っていた(そう思ってくれないとレトリックにならない)。

二重否定は肯定だとまで言うのは強すぎる、というのには同意しないわけではない(←このあたり二重否定)が、ニュートラルかというと、ニュートラルだったらわざわざ取り立てて意見を表明したりしないわけで、言うからにはなにか意図があるとすると、次に「悪くないんだけどここが難点」みたいな話につながるのが自然だし、逆接で否定的な意見につながる前段なわけだから、どちらかというと白に近いグレーくらいかなあ。そもそもここが黒だったら逆接にならないし……

などということを思った丑三つ時。