風の便り

もう1週間ほど前のことになるのだが、ふとメールをいただいた。数年前に「留学を考えている」という人からメールをもらって、そのときどういう内容を書いたのかは覚えていないのだが、自分の経験も交えて(総合するととてもいい経験になるので行った方がいいとは言えるが、留学ってバラ色なわけではなく、大変なことも多いと)率直に返事を書いたように記憶している。そのときの人が、その後結局アメリカの大学に進学して、いま学部の後期課程に進学するところで、アメリカは学費がかかるのでカナダの大学に来ているらしい。来る前は漠然とした期待を持っていたけど、留学してみたら予想以上に大変で、楽しいことよりは大変なことの方が多かったくらいだけど、ときどきやっぱり来てよかったと思うので、アドバイスをくれた人にお礼のメールを出しているところです、とのこと。

こういうふうにひょっこりメールをもらうってとても嬉しかったので、もらってから数日心暖まっていたのでした。

アドバイスするときって、いい面ばかり伝えるのではなくちゃんと悪い面も伝えて、それでもやりたいことをやれるように見守るってことが必要だと思うのだけど、こういうふうに自分の体でもって踏んできた経験というのは、それが楽しいことでもつらかったことでも、その人の魅力になっていくのだろう。これは独断かもしれないが、特にとんとん拍子ですいすい来た人より、あちこちで壁にぶつかったりしてきた人の方が「聞き上手」になれると思う。自分が失敗した経験、自分が活かすことはできなくても、自分に関係する人が活かしてくれればそれでしあわせって思えるのは一つの才能じゃないかな。

そういうわけで、自分も失敗するのは嫌だけど、失敗してしまってもそんなに塞ぎ込むことはなくて、自分を含めた誰かがその後同じようなことをしないようになればいい、そのための授業料だと思ってけっこういろいろなことをやるようにしている。失敗してみないと分からないこともあるしね。ときどきは昔の友人(高校生なら小学校の友人、大学生なら中学校の友人、大学院生なら高校生の友人、社会人なら大学生の友人とかね)と会ったり話したりすると、全然自分の思いも寄らなかった観点から意見をもらえたりしてとても参考になる。みんな違うこと考えているのがおもしろい。就職活動のときとか、プロジェクトが行き詰まったときとかにお薦めデス ;-)