おうさまぶんこ

自分の育った町である田無市(現西東京市)は寺村輝夫さんが住んでいて、「おうさまぶんこ」という名前の児童図書室が開放されていて、子どもは自由に出入りして絵本や童話を読んだり借りていったりしてよかったので、何回か行っておうさまシリーズを借りたことがあった。

そもそもおうさまぶんこに行っていたのは小学2年か3年のころなので、そもそも「ぶんこ」の意味も感じも分からなかったのだが、「○んこ」と音は似ているが「○んこ」ではないということは理解していた。そこ! 小学生なんてそんなもんだって! 口を指で横に開いて「学級○んこ」とか言ってみたりしなかった? あ、そう。

この前初めてラブレターを書いたのが小学2年生だと言ったら驚かれた。もう彼女は結婚しているころかなあ。あのころは好きな子となにがしたかったかというと、あーんなことでもこーんなことでもなく、ただ単に一緒に下校したかったのだ(あのときから朝弱くて毎日遅刻していたので、登校は諦めた)。通学路が途中まで同じだったので、ときどき遠回りして話しながら帰ったり。いまもなんか根本的に変わっていないような気もするが……。

でもこうして本を読むことがけっこう普通な環境に育ってよかったなあと思う。寺村輝男さんのご冥福をお祈りします。