前例がないと言われて諦めず

今日も下の子は土曜保育。上の子は昼から学童の友だちと遊ぶらしいので、午前中は公文と学校の宿題をさせつつ、自分は最後の修士論文1本にコメント(一番時間がかかり、1時間半費やしたが)。

昼からは特任教員の採用にかかる書類の作成。ちょっと本学の規定の給与テーブルが必要とされる能力の割に安いので、それを上げようと思ったのだが、規定額以外に設定する場合はできないわけではないが審議が必要なので、理由書を算定の根拠とともに出してくれ、と言われたので、色々作文(規定額以外に設定することもできる、と例外のルールは書かれているが、前例がないらしい)。

そもそも本学は特任教員・研究員は(もっと言えば RA も)月16日勤務までしか付けることができず、うちの特任教員または特任研究員の仕事だけでは他大学でフルタイムで働く人の8割の年収にしかならないという問題があるのだが、それは残りの週1日に他のことができると考えるとまあそこまで悪い話というわけでもない。例えば100%プロジェクトの費用で雇用してしまうと、本人が代表者となる研究費を受給することができなくなってしまう(100%そのプロジェクトの仕事をする、という名目で雇用されているので、仕方ないが)ので、給料は減るがわざわざ勤務日数を減らす、という話も珍しくないので(アカデミアの世界では、外部資金獲得実績も業績になるし、特に若手研究者にとっては代表で取ってきた実績がないのはかなりマイナスに見える)。

しかし、それを差し引いたとしても(つまり、日給換算で揃えたとしても)、本学の特任の教員の給与テーブルは、特任でない教員の給与テーブルと比較して(ボーナスが出ればいいのだが、ボーナスがないので)著しく低いのである。一般的に、任期なしと任期ありの選択肢があって、任期なしは待遇の保証や年金があるのに対して、任期ありはそういう保証がない代わりに給料高め、というのは(生き方の選択肢で好きに選べばいいだけなので)まだ分かるが、そういうわけでもなく単に職の保証も給料も待遇が悪いのは問題ではないか?と思う(これだと、生き方としては別にパートタイムや任期有りでもいいと思っている人でも、そもそもの給与テーブルが低いためにフルタイム任期なしの職を目指さざるを得なくなる)。それでもなりたいという人がいるからダンピングが可能なのだろうが、業界全体からすると優秀な人が残ろうという気にならない業界になるので、それでいいやと悪い待遇で雇用してしまうのは長期的にはマイナスではなかろうか。ちなみに最近は相場より低い対価でデータ作成を依頼したりすると倫理審査でフラグが立つようだが、相場より低い単価で研究員を雇用するのは OK なんだろうか(無給の博士研究員とか、ときどき聞くけど)。

これでうまく行くかどうかは分からないけど、前例ができるとやりやすくなると思うので、一石を投じてみたい。本学、前例に習うというか余分な仕事は増やしたがらない人が多く(細々とした仕事が多すぎるので、新しくアクションを起こすエフォートを割きたくない、というのはよく分かる)、自分のような人はあまりいないようだが、横山先生もこういうのを試してみるのが好きな人なようで、色々と学内のルールの突破方法を試しているようで、素晴らしい。

午後は論文の査読(合計2時間)と兼業の申請に関する書類作成(1時間)。なかなか進まない。