大学教員の仕事の2割は大学運営

朝大学に来て会議の議事録作成。そもそもこれまでアジェンダや議事録を作るという文化がこれまでなかったので (研究ミーティングのあとは Wiki に議論の内容と TODO をまとめていたが、あれが議事録か? あとインターン中はミーティングの前に話す内容のスライドを作っておくとかいうのがアジェンダか)、なにを書くべきかいまだによく分かっていない (過去の議事録は1つもらっただけ)。論文執筆と同じで、ちゃんと議事録を書くならそれなりの数の良質な議事録を読まないといけないと思うのだが……。

午前中は学内の委員会の仕事。研究科長や学域長の先生方もいらして物々しい感じだが、所要時間は30分くらいでさくっと終了。どの会議もこれくらいスムーズだといいのだが、同じ会議という名前でも、議論・報告することが目的の会議と、決裁 (承認) することが目的の会議では時間が異なって当然だし、致し方ない。

昼から夕方の打ち合わせに向けて書類のチェック。事務の人がチェックしてくれればいいような気もするのだが、なぜだか教員がチェックすることになっていて (書類の内容によっては、他の教員に確認を取らないといけなかったりするからかもしれない)、1時間半くらい調べつつチェックを終わらせる。

昼過ぎは3者で電話会議……だったのだが、どうもスケジュールがうまく伝わっていないようで、2者で話して確認だけしておく。毎週定期的に開催しているので、1回ずれてもそんなに大きな問題ではないのは幸いである (これが1カ月に1回しかない会議だったらリスケジューリングが大変そう)。

午後は月例の教授会。今回もたっぷり3時間弱。そんなにゆっくり話しているわけでもないはずなのだが、審議事項がたくさんあるとどうしても時間がかかる。教授会のあとコース長と学内の委員会の仕事の打ち合わせをする予定だったが、教授会のあと学部長がコース長全員を集めて話し合いたいことがある、というので30分ほど待機。こちらの用事は30分ほどで終了。今日は大学運営の仕事だけで7時間以上取られてしまったが、総合すると全仕事時間のうち2割程度で済んでいるので、まだましなほうなのかもしれない (たぶん、まだ准教授であるということと、着任1年目だから少しだけ手加減してもらっているのとを考慮すると、標準的には3割くらいありそうに思うが……。あと、大きくわけて国公立と私立でも違うだろうし、細かくは大学によっても違うであろうが)。

非常勤講師、雇い止めの動きという記事が話題になっているが、大学教員の仕事は授業だけだと思っている人が多く、非常勤講師と常勤の教員はそもそもやっている仕事も量も違うというのはどれくらい認知されているのだろうか……。特定の授業を教えることで雇われている非常勤講師は大学運営の仕事 (入試の仕事や広報の仕事、カリキュラム編成、学生生活や就職の面倒、etc) はしないし、研究も行わないのである。まあ、人文系と理工系では全然非常勤講師の使われ方が違うので、それらを混ぜて議論するとミスリーディングだと思うけど。

もちろん、非常勤講師でも雇い止めにせず任期なしの形にできたほうがいいとは思う。任期の定めなく保証されるのはその授業が存在するかぎり同じ待遇で教え続けるという契約であって、カリキュラムが改変されたら解雇されうるし (これ自身実際は問題になる可能性があるから大学側は嫌がるのだろうけど)、せめて雇用形態は任期なしにできないのかな。

夜、プログラミングについて教えてほしい、というので1時間ほどレクチャー。学部時代に教育用計算機システム相談員としてこうやって1:1でよろず相談事に乗っていたのを思い出す。首都大に来てからというもの、職場の環境が非常にそのころの感覚に近い (学生室も相談員のたまり場にとてもよく似ている。べアボーンマザーボードとかそこらへんに転がったりはまだしていないけど (笑))。そのうち FAQ をまとめたりするようになるのだろうか……。