まず先に魅力アピールしてほしい

情報処理学会自然言語処理研究会(NL研)の発表申し込み締め切り日なので、各種メーリングリストに告知したり、研究室で投稿予定の学生とタイトル・アブストラクトの往復をしたり。

今回は7月19日・20日に首都大学東京日野キャンパスでの開催で、NL研の幹事の4年間の任期中に1回は日野キャンパスでやりたいと思っていた(1年目には南大沢キャンパスで、2年目には秋葉原キャンパスで開催した)ので、昨年に日野キャンパスの整備がちょうど終わっていい機会だと思って提案したのである。駅から若干遠い(徒歩20分、バスでも最寄りのバス停から徒歩5分)が、ぜひお越しいただければと思っている(研究会の開催予定の建物と研究室は同じ建物なので、研究会の前後に研究室を見ていっていただいても)。

午前中は色々と添削。締め切りが重なっていて厳しい。

お昼は研究に関する相談。うちの大学院の学生は「公開期末評価」といって半年に1回他の先生方に対して半年間の進捗報告をし、コメントをいただくというシステムなのだが、外部進学の M1 の人は(基礎勉強会をやらなくていい内部進学生と違って)話すべき研究的な内容が特にない、という問題があるので、外部進学の M1 の人も進捗報告をやってもらったほうがいいのでは、と思ったりする(正確には、2015年の秋にはそう思っていたメモ書きがあるが、去年は外部進学の M1 が結局1名で、導入するのを忘れていた)。特に、他の人の話をちゃんと聞く、自分でサーベイをする、というのは大事なことなので、6月から合流してもらおう。

午後から研究会。今週から大学院生によるチュートリアル。就職活動でも就職してからも「その技術や研究の内容を知らない相手に、内容が分かってもらえるように説明する」という能力は重要なので、誰かの作ったスライドを拝借したりするのではなく、オリジナルのスライドを用意して30分程度チュートリアルをする、というのを一昨年からやってもらっている。研究に関するトークだと、基本的に相手は自然言語処理のことを知っているので、特に噛み砕いて説明する必要はないが、一歩外に出るとその前提は共有されないので、相手に合わせて話す内容を変える、という練習なのである。

ちなみに NAIST 松本研でも ドクターレクチャー と題して博士後期課程の学生がやっていて、なあなあになって立ち消えになることが多かったのだが、自分はエンジニアとして就職する学生こそこの練習が大事だと思うので(社内で決定権のある人が必ずしも技術に明るいというわけではない)、ある程度の強制力を持ってやってもらっている。(そういう意味では、聞く人のためというより話す人のためのチュートリアル

今日のチュートリアルは TensorFlow の紹介、Vim の紹介、GAN の紹介、という3つのチュートリアル。TensorFlow は使ったことがないので(インストールしたことすらない)、細かい点では色々勉強になったが、なぜ TensorFlow がいいのかよく分からない(シェアが高い、というのは分かるが)。Vimチュートリアルも、まず「これを使ったらこんな便利ですよ!」というモチベーションの部分のアピールが少なかったので、最初から Vim を使いたいと思っている人に向けたチュートリアルとしてはいいのだが、これらの背景の説明に力を入れるようにしたらよさそうである。GAN の紹介についても同様だが、こちらは割と論文と数式を出しながらの解説だったので、自分的にはとてもよく理解できてよかった。ただ、新入生的には「ポカーン」という感じだったかもしれない(汗)

全体ゼミのやり方も5年目にしてだんだん定着してきた気がするが、まだ色々と試してみたい。