進捗報告はこれからの研究のためのアドバイスをもらう場所

午前中は M1 の公開期末評価である。首都大の大学院、情報通信システム学域では半年に1回、いくつかの研究室横断で進捗報告をすることになっているのである(単位があるので、やらないと卒業できない)。

うちの研究室からは3人が発表で、2人はこれからやりたい(まだ着手していない)研究について、1人はいま取り組んでいるタスク(だがこれからやりたいタスクは別)について話した。完全ではないが、発表練習で指摘したクリティカルな場所はだいたい直っていたので、ほっとする。練習から本番まで3日間(人によっては2日間)しかなかったし、南大沢で集中講義もあったので、がんばったなと思う。しかし、やはり発表練習はもっと前にやるべきで、内容的に軽微な修正で済まなさそうなら、もう一度本番の直前にリハーサルする日を設定したほうがよさそうである(ちゃんと指摘した事項が直っているかどうかも、確認しないといけないし)。

あと、他の研究室の人は卒論(卒研)について話したりしているのだが、修士論文に向けて話す内容なのだから、卒論について紹介してくれても、タスクが連続していない限り、あまり意味ないような……。時間がたくさんあったら話してくれてもいいが、QA 込みで20分しかないので、話している時間はないのでは?と思うし、過去の研究に対していくら周りがコメントしても、既に終わった研究だとフィードバックにならないので、教育ではないように思うのだ。

昼過ぎからコース会議。8月に定例のコース会議がなかったので時間がかかるかと思いきや、1時間半ほどで終了。幹事としてのお仕事があり、結局2時間丸々かかったが、自分に関する話題でもあったので、粛々と進める。秘書さんがいてくれればいいのだが、これらの事務処理を自分でやらないといけないというのがちょっとしんどい。

午後は学生の研究相談。教師あり学習・半教師あり学習(+能動学習)・教師なし学習(+強化学習)あたりの位置づけを、ホワイトボードを使って説明する。教師あり学習教師なし学習はいいのだが、半教師あり学習はスタンスの違いによっていろいろアプローチが違うので、一通り典型的な半教師あり学習をしている研究の論文を読まないと分からないかも? 個人的には2008年の言語処理学会の年次大会であった鈴木潤さんのチュートリアルが一番分かりやすかった(半教師あり学習のもやもやとしたところがスッキリした)のだが、スライドも資料も公開されていない……。

夕方は秘書さん候補の方と面談。というか、そもそもこちらはスーパーウェルカムなので、週1日くらいしかお願いする仕事がないところだとか、ちょっと駅から遠いところだとか、そういうのでちょっと条件が合わずお断りされてしまうかなと思ったのだが、来ていただけることになったので、ほっとする。以前も紹介したが「工学部ヒラノ教授と4人の秘書たち」にもあるように、秘書さんは大学教員にとって極めて重要な存在で、有能な秘書さんがいるかどうかで研究室の過ごしやすさが(学生にとっても)全然違うと改めて思う。

工学部ヒラノ教授と4人の秘書たち

工学部ヒラノ教授と4人の秘書たち

以前とある准教授の研究室では、事務仕事だけは絶対したくないから秘書さんを3人雇っている、とお伺いしてびっくりしたものだが、研究室でものすごい量の業績を挙げているところは、そういう縁の下の力持ちがきっといるのであろう。