夏休みの准教授のお仕事

夏の間は毎週水曜日に休むことにしているので、大学に行かずに過ごす。夏季特別休暇は残り1日なので、9月に使う予定である(NLP若手の会シンポジウムの翌日の水曜日)。

昼は武蔵境に出かける。雨なので車。武蔵境自体は通勤でよく使うのだが、買い物をするのは1ヶ月ぶりくらい。平日は買い物をする時間がもったいない(たとえば1時間買い物にかかるというのは、大学にいられる時間を1時間削らないといけない、という意味)ので、もっぱら Amazon なのである。

とはいえ合間合間にメールの読み書きをしたりもする。急ぎの仕事がけっこうあるのだ。

武蔵境で購入した吉村作治「教授のお仕事」を読む。単行本で買おうかと思っていたら文庫になったので、ちょうどよかった。

教授のお仕事 (文春文庫)

教授のお仕事 (文春文庫)

内容は架空の大学を題材にしたエッセイ風小説なのだが、あまりおもしろくない。ご本人が書かれているのだろうか、と疑ってしまうレベルである(特に、女性教員に対する描写がひどいと思うのだが、小説だから許されるのだろうか?)。自著を語るで書かれているので、ご本人がお書きになったのだろうけど、「文学部唯野教授」のあるいま、わざわざこんな内容で書かなくてもよかったのでは、と。もっとも、論文や専門書でもない小説なので、新規性など追求するのが野暮というものである。1話完結で文藝春秋に載せていたので、時間的に厳しかったのかもしれないし。

読んでよかったなと思うのは教授会に関する記述で、教授会はどこも似たようなものなのだな、と思う一方、首都大の教授会は(システムデザイン学部だけかもしれないが)非常にまともで、適正に運営されているのだな、と思う(いろんな先生方に、ここの教授会は効率的だと言われた)。もしこういう本を読んで大学教授は変な人ばかりだと思ったら、理工系の学部ではそんなことはない、と声を大にして言いたい。

とはいうものの、自分もこうやって平日を休みにして庭の手入れをしていたり、朝出勤するのが9時くらいなので娘を散歩させたりしているとき、ご近所の方々と挨拶や世間話をすると、大学の教員は暇なんだなぁ、とか、夏休みが2ヶ月もあってうらやましいなぁ、なんて思われていないかとちょっと心配である。大学の教員一般がそうであるわけではなく、自分はかなり時間を調整して明け方に仕事するようにしたりしてやりくりしているのだけど……。