ときどきは知り合いがいないコミュニティに参加する

夜なべならぬ朝なべして授業資料を完成させて、授業に臨む。やはり小テストのある日は出席率がよく、51人出席しているようである。毎回フィードバックを受けて授業を更新していると、数年で局所最適解に到達しそうなのだが、授業のスライドの LZ 符号の説明と昨年度の教科書(今年度は参考書に変更)の説明が違う、という問題を更新し忘れていて(去年も小テストを採点していて気がついたのだが、授業のときのフィードバックでなかったので、反映を忘れてしまったようだ)、真面目に参考書を読んでいた人を小テストで混乱させてしまったらしい。申し訳ない。

授業のあと研究室に行き、TA の人に答案用紙を渡したり、機械翻訳の進捗を少し聞いたり、勉強会の演習の質問を受けたりする。全てが今年初めて取り組んでいることなので、いろいろとトラブルは出てくるのだろうが、こちらも来年には改善されているのであろう。(たぶん、こういう手探りでいろいろやっている時代を経験している人の方が、あらゆる事態に臨機応変に対応できるようになるので、効率は悪いかもしれないが、これはこれで意味のあることである)

午後から先週に引き続き東京タワーに場所を移して電子情報通信学会の学会誌の編集委員会。実はこれまで電子情報通信学会の会員ですらなかったのだが、言語理解とコミュニケーション研究会(NLC)でも発表したことがあるし、論文誌(D領域)の査読は毎年のようにやっていて、昨年度からは常任査読委員でもあったので、これを機会に会員になったりする。

学会誌といえば人工知能学会と言語処理学会編集委員でもあるが、電子情報通信学会の学会誌は明らかに他の2つと体制が違い、かなりかっちり決められていて、びっくりする。編集委員会に行くと、全体で4領域合わせて50〜60人くらいの委員の方々がいらっしゃるのだが、通信系なども入っている他の領域の方々はともかく、同じ領域の方々でも誰一人として知っている方がいないというアウェイ感であり(他の方々もそうなのかもしれないが)、こんな自分でいいんだろうか? と思ったりもする(「知能情報学」と呼ばれる分野の関係者で、東京にいて准教授くらいの職位でこういう仕事をやりそうな人があまりいない、ということなのかもれしない)。

学会誌自身の編集作業は議論が活発でおもしろかった。いろんな分野の方々がいらっしゃる、というのは悪いことではない。人工知能学会も電子情報通信学会も、編集委員は「任期中に1回は特集を担当する」というのが不文律らしいので、任期2年間のうち1回くらいはなにか特集を取りまとめることになりそうである(人工知能学会と分野が一部オーバーラップしているので、電子情報通信学会で特集したものが人工知能学会で特集できない、という問題点はあるが、電子情報通信学会のほうがもっといろんな人が見るので、トピックとしては一般向けのものになりそう)。