高校生に自然言語処理を知ってもらう

4時に起きてメール処理。まだ全然追いつかない……。1週間休んだからな〜。とはいえ、出産支援休暇と育児参加休暇で退院直後から育児を手伝えたのは絶大な効果があったので、男性諸氏にはこれらの取得を強くお勧めする。

というのも、母親は病院で1週間先に母親業をスタートしているのに対し、父親はそういう練習をする期間がないので、退院した直後はかなりのスキルと覚悟の差があるのである。言うなれば、妻が育児プロ初段でスタートするのに対し、自分はアマ5級から始めないといけないので、スタートダッシュに乗り遅れると、激しくダメ出しされること請け合いである。退院してから1週間一緒に過ごすと、だいぶペースもつかめるので、仕事と同時で睡眠不足でヘトヘトになる、ということも防げ、一石二鳥である。

朝は学会の研究会の幹事のお仕事。色んな〆切が錯綜していて混乱しそうである。

午前中は論文紹介で、今日も[twitter:@showyou] さんがいらしたので、いろいろ突っ込んでもらいながら以下の論文を紹介してもらう。SIGDIALという対話に関する国際会議での発表論文である。

  • Fumihiro Bessho, Tatsuya Harada, Yasuo Kuniyoshi. Dialog System Using Real-Time Crowdsourcing and Twitter Large-Scale Corpus. SIGDIAL 2012.

主要な貢献が何か不明だったり(一応書かれているが、それを示す実験になってない)、実験設定が謎だったりするのだが、システムを作る必要がある研究は仕方ない面もあるので、SIGDIALのように対話の研究を発表できる場所があるのは重要なのだと思う。

自分自身はこれまで対話の研究をしたことがないのだが、応用の一つとして魅力的な分野ではあるので、最近は少し本腰を入れて研究してもいいかと思っている。システム開発にならないように気を付けないといけないところが難しいのだけど……(かといって、システムがないと何のための研究か分からないのも事実)

お昼は @showyou さんとランチ。「自然言語処理でいま地雷の研究テーマは何か?」という、微妙な話題があり、率直な意見を話してしまったが、あまりそういうことは(オフラインでも)言わないほうがいいのかもしれない。松本先生も、あまり乗り気でない研究テーマがあり、学生がそういう研究テーマをやりたいというと、賛成しないこともあったけど(相手が修士の学生か博士の学生かにもよるが)。結局本人がどうしてもやりたいならやればいいと思うし、否定的なことを言っていい気になる人もいないし、もっと建設的な話(「いま学生だったらどういう研究テーマをやりたいか」とか)をすればよかったなぁ。

午後は河合塾の受験情報誌のインタビュー。主に高校3年生が読むらしいが、高校生を対象として、理系のいろんな大学の紹介をする雑誌に1ページの記事を載せるそうで、広報担当の方から依頼があったのである。

5月の上旬に出産を控えているからそれまでなら引き受けます、と念を押したのに、育児支援休暇中の5月下旬になって突然「来週お願いします」とメールが来て、「日程の変更があれば本日の17時までにお願いします」と15時に言われ、正直心象はよくなかったが、取材してくださるのはプロのライターの方だったので、インタビューはつつがなく終わる。(研究室の学生にも協力してもらい、ありがたかった)

結局自然言語処理は大学に入る前に存在を知らないと進路の候補に上がることすらなく、自分のように言語といえば人文系と思っている人は理工系でも自然言語処理をやっているという存在すら知らないので、こうやって高校生にアプローチできるのは助かる。実際どれくらい効果があるのか分からないが(別に首都大に来てくれなくてもいいので)、高校生に伝わっていくといいな。

ちなみに8月の受験生向けのオープンキャンパスでもミニ講義をすることになっているので、そちらでも情報科学のアピールをしておきたいと考えている(コース的には「情報通信」なので、情報系に寄った学生ばかり集まっても困るような気がするのだが、長期的にはバランスは釣り合うと思うので、あまり気にせず広報するつもり)。

夕方は会計書類の作成。昨年度は会計処理しないといけないものが発生する度に処理していて、いつも何か書類を書いていた気がするのだが、今年度は月に1回だけまとめて書くことにしたので、全部で1時間半かかったが、1日で済んだので、精神的にはだいぶ楽。少しずつこの環境に最適化されているように思う。

18時から学内の委員会のお仕事。あまり遅い時間に委員会の仕事が入られると困るのだが、午後はずっと会議で21や22時までがざら、といういうな話を聞くと、学内のお仕事系は1回あたり40分くらいで終わるので、超絶ホワイトな環境である。まだ委員会の仕事が少なく(これでも K 家先生はことあるごとに「新任なのに、多いですよね」とか「初めてなのに、この仕事は難しいですよね」とおっしゃってくださるが)、かつ大きな仕事を任されていないせいでもあるけど……。