問題の所在を認識してもらうのが最初の問題

今日は都心に行く日なのだが、通勤ラッシュを避けて6時台の電車に乗ろうとしたらあっさり寝坊したので、結局7時半に家を出た。武蔵境から東京行きの快速に乗ったが、そこまで混んでいるというわけではないかな。毎日これに乗るのはつらいかもしれないが……。

9時赤坂で30分ほど打ち合わせ。それから地下鉄で本郷三丁目に移動し、10時から打ち合わせ。どちらの言うことも分かるので、なんとも言えないところである。結局技術的に解決できることは問題全体の一部で、技術的にはパーフェクトでも、調整がうまくいっていなくて難航する、ということもよくある。自分も、そういうことを体感したのは、Gentoo Linux の開発に参加していたときで、技術的にいかに正しいことを言ってもそれだけで問題が解決するわけではなく、結局根回しというか問題の所在自体を相手に納得してもらうことが開発者としての主な仕事で、技術的に困難な開発を華麗にやる、というのは全体から見るとごく一部の仕事だけだったのである (もちろん、自分が「多言語ソフトウェアに関するあらゆるバグや機能追加、改善を担当する」という役回りであったことも関係していると思うが)。

午後は首都大に移動し、研究会。今回は

  • 水本智也, 林部祐太, 坂口慶祐, 小町守, 松本裕治. 英作文誤り訂正における複数の手法の利用に関する考察. 情報処理学会第208回自然言語処理研究会, Vol.2012-NL-208, No.8, pp.1-7, September 2012.

を紹介してもらう。なんでわざわざこの論文? と思ったが、「英作文 誤り訂正」で検索すると、これがトップページに来るらしい。確かに……。去年の9月のはずだが、なんだかものすごく前のことのように思えて懐かしい (それくらい、この1年が自分としては激動の1年であったということか)。このように参照されることを考えると、もう少し英作文誤り訂正で研究をして、論文誌にまとめたほうがいいような気もする。

基礎勉強会は「適合性フィードバック」と「多言語情報検索」。NTCIR の説明をしたりする。NII Today No.60 人工頭脳プロジェクト「ロボットは東大に入れるか。」を紹介したり。含意関係認識のようなテーマに興味ある人、いるのかな。述語項構造解析のような意味解析が役に立つ、という観点からは取り組んでみてもいいと思うのだが、問題が難しすぎて落としどころを決められなさそうで、ちょっと二の足を踏んでしまう。博士後期課程に進学する、というような人がいたら、時間をかけて取り組むつもりでやってみるのもありだと思うのだが、B4で配属されて1年間だとほとんど何もできないのは仕方ないとして、修士の2年も使ってなにかできるかどうか、ちょっと自信がないのである。もちろん、学生がやりたいことをサポートしてなんとか形に持っていくのが自分の腕の見せ所だとも思うので、本気で取り組みたい人がいたらお手伝いはしたいのだけどな〜。

夕方は学内の仕事。テンキーつきの Realforce を購入したので Excel 作業も完璧! と思ったが、あとでコース長と検算したら、入力ミスがあった (汗) やはりいちばん大事なのは人の目である。

続いて高校生向けの研究紹介スライド作成。次の日曜日に南大沢で高校2年生向け (保護者も来る) の大学説明会があるそうで、情報通信コースの3分野 (情報システム分野・通信システム分野・メディア情報処理分野) の紹介をするので研究内容のスライドを1ページもらえませんか、と依頼があったのである。これを見て受験して入ってきてくれる人を見るのは2年後になるのだが、興味持ってもらえるかな〜。

夜は2時間強プログラミング。ニューラルネットワークの実装。やる前から分かっていたことだが、デバッグが面倒くさい……。深層学習にあまり手を出したくない理由の一つでもあるのだが、パラメータが多かったりデバッグが面倒だったりする手法は (勉強のために作るのはかまわないけど) それを使って研究するのは大変そう。