まだしばらくは若手に近い立場でいたいと思うアラサーの悩み

朝、masakazu-i くんの公聴会。10人以上来ていてびびる。最近見た中でいちばん人気の公聴会であった。発表も分かりやすい。しかし3ヶ月後には卒業してしまうのかと思うとちょっとさびしい。

午前中、スプリングセミナーの参加者の集計。出張中だったので仕事が追いついていなかったが、ものすごい勢いで定員に達していた研究室 (研究テーマ) があり、ちょっと該当研究室の方に問い合わせ。すごいなあ。

昼、共同研究の電話ミーティング。[twitter:@shirayu]くんと ryosuke-m くんの進捗報告。毎度のことながら、くださるコメントが的確。学生相手でも手加減しないところがすごい。企業の研究所で研究員をなさっている方は、当然ながら研究のスペシャリストなんだなぁ、としみじみ思う。自分がいま研究のスペシャリストかというとよく分からないが、そのうち10年も同じ仕事をしていたら教育のスペシャリストにはなるのかなと思ったりする。とはいえ、研究は大学院に入ってから7年やってきているが、教育は助教になってからまだ2年経っていないので、まだまだ分からないことだらけである。そもそも、教育というほど教えているわけでなし (講義も全然やらないし)、むしろ自分のほうが「学生が研究するのを助けることで、むしろ教わる」という「助教」なのかもしれない。

午後、機械翻訳勉強会。katsuhiko-h くんが

  • Kevin Gimpel and Noah A. Smith. Quasi-Synchronous Phrase Dependency Grammars for Machine Translation. EMNLP 2011.

を紹介してくれる。ヨーロッパ系の言語だと係り受け解析といえば単語間の係り受け解析が普通だが、フレーズ間の係り受け解析の研究もないわけではく、情報抽出なんかで使われているそうなのだが、この論文はそのフレーズ係り受け解析を統計的機械翻訳に使いましたという話。フレーズ係り受け解析というものを聞いたことがなかったので、新鮮だったが、論文の内容的には他にもやり方があったのではないかという感じ。このあたり、自分でもやってみたいのだけどなあ。

夕方、意味談話解析勉強会。言語処理学会年次大会で発表予定の人たちの進捗報告x4。あと1週間でどこまでできるか……。

夜、プロフェッショナル仕事の流儀を見る。Google の[twitter:@takoratta] さんの特集。[twitter:@komatsuh] さんとのやりとりが中心だが、プロジェクトのマネージャとしての @takoratta さん、エンジニアのリーダーとしての @komatsuh さん、そしてエンジニアの人たち、の三者三様のありかたが、自分の抱える悩みととてもよく似ていて、食い入るように見てしまった。たぶん研究室での自分の立ち位置は (@takoratta さんではなく) @komatsuh さんで、学生に近い身分で、たとえばプログラミングが思うように捗らなくても、なんで捗らないか、あるいはジャーナルを投稿しないといけないのに延ばし延ばしになる気持ちなんかもなまじっか分かってしまうので、あまり急かしたりもしたくないのだが、気持ちが分かるのも (いいことだと思っていたが) 善し悪しの面もあるのだなと思った。@takoratta さんも分かった上でやっているのだろうが、自分の10年後はどうなっているんだろうなぁ、と思って終わったあとしばらくぼんやりする。

id:takeda25 さんの一連のつぶやき

もよく分かるなぁ。番組の中で @takoratta さんが「こうやるのが Google っぽい」とご自身おっしゃっていたが、(日本の) Google っぽくないところが (グローバルな) Google っぽいのかなと思った。

2月6日までは NHK オンデマンドで210円払えば見られるので、もし見逃した方がいたらぜひ! (喫茶店でコーヒー1杯飲むより安い!)