研究グループを率いたという経験はプラスに評価される

午前中は NTT へ。進捗報告。少しずつ進んでいるかな〜。@tarowatanabeさんの InterSpeech 2010 での統計翻訳についてのチュートリアルがすごいと教えてもらう。確かにこれはすごい……。さ来年の言語処理学会の年次大会でチュートリアルしてほしい! (※来年のチュートリアルの予定はすでに決まっている)

午後一でポスター発表・口頭発表練習。いろいろコメントあるが、松本先生が言っていたことをいくつかメモ。

  • 半年も経っているのだから研究計画書と内容が変わっていてもよい。それくらい競争が激しい新しい研究をしているということで、マイナスではない。
  • 誰とも研究をやっていない、というより、むしろ研究室で修士の学生を率いて自分がリードして研究している、ということをアピールしたほうがよい。
  • ちゃんと前を向いて喋る。専門分野外で内容分からない人は発表の仕方だけを見ていることがある。反応を見て、通じてなさそうなら内容を臨機応変に変えたりするべし。

自分一人で研究をしていないならマイナス評価になるのではなく、研究室で上から振ってきたテーマをやっている場合は減点、となるかもしれないが、逆に自分が研究室の中で下にテーマ(サブタスク)を振って研究を回すなら加点、ということ。なるほどな〜。

学生のころは自分一人で独創的なテーマを見つけてがんがん論文を書くのが評価されるのかと思っていたが、最近は、他人にがんがん論文を書かせるのも評価されるのだなぁ、と思っている (上記のように研究グループを率いるというのが典型例だが、必ずしも直接関わる必要はなく、iPS 細胞の発見のように他人がどんどん引用するような画期的な成果を挙げるのも間接的に他人に論文を書かせていることになる)。

そういうグループの中で最初はサブタスクを振られて仕事をこなしている人(学生やポスドク研究員)も、やがてはサブタスクを振る側に回るだろうし、業界・分野が新陳代謝して生態系を作って発展していく、という意味では、ときどき突然現れる天才が一人で偉業を成し遂げることを期待する (数学なんかはこのタイプ?) よりは、自然言語処理のような工学系はみんなで協力できたほうがいいだろう (階層構造でなく割とフラットな構造でもよい)。

松本研での勉強会は各勉強会必ず1人スタッフ、1人学生がリーダーとして参加すること、となっていて、自分としては勉強会のコアメンバーがいればいいだけでリーダーなんて要らないんじゃ? と思っていたのだが、そうやって学生のうちから研究グループを率いる経験を積む、というのも独り立ちする研究者としては必要な経験なのかなぁと思った。

どうせ嫌でも学生でなくなったらグループを率いなければならないなら、一人で自由に研究できる学生のうちにたんまり研究したらいい、という考え方もあるだろうし、逆に教員になってから突然研究計画書を書きなさいだとか学生の面倒を見なさいだとか言われると苦しいので、博士の学生のうちから少しずつスタートして慣れておくとよい、という考え方もあるだろうし、どちらが正しいというわけではないが、1回くらいは人生経験だと思って研究計画書を書いてみたり、研究室でやっている共同研究に参加してみたり、上-下の人と一緒にチームで研究してみたりするのはいいんじゃないかな? (1回やって合わなかったら次からやらなければいいので……)

みんな本番で実力が出し切れるよう願っています!

さて、練習のあと、さらに勉強会。腰が痛い……。

最近は電話するのは1時間くらいにしているのだが、毎日電話していると、電話しないほうが変な感じ。日本とアメリカと遠距離恋愛・遠距離結婚だったときは、距離もさることながら、時差が一番大変だった。いまは日本で遠距離結婚だが、毎日電話できるだけでもとてもありがたい。週に1回なんかだったら喧嘩したらなかなか仲直りできないし……。

iPhone 代、e-mobile 代も入れると夫婦2人で通信費は毎月相当払っている気がするが、遠距離結婚・研究者夫婦だと通信費・交通費・家賃 etc がかかるのはオーバーヘッドかなぁと思う。