どんどん手が動くと研究の進むサイクルが速くてすばらしい

午前中言語教育勉強会。今日は @seijik42くんが

  • Hisami Suzuki and Kristina Toutanova. 機械学習による日本語格助詞の予測. 第12回言語処理学会年次大会発表論文集, pp.1119-1122, 2006.

を紹介してくれる。元々は機械翻訳で日本語に訳すときに格助詞の誤りが多いという問題を解決したいという話だったが、言語教育のコンテクストだと、日本語学習者が日本語を書くときに一番多い誤りが格助詞の誤りなので、この格助詞の誤りを自動で直したい、という話になる (英語を学習するときだと前置詞の誤りを直してほしい、という話とほぼ同じ)。

少しくらい格助詞が間違っていても日本人だったら正しい格助詞は推測できるので、直しても直さなくてもコミュニケーションに問題はないのでは? と思わなくもないのだが、英語でも for を書こうが of を書こうが意味は通じるが、A for B と言っても A of B とは言わない表現を A of B で論文に書きたくない、と思うのは普通だし、言語教育のコンテクストではこれをちゃんと直すのはとても重要な話のようである。

というわけで、いろいろ実装方法など議論。松本先生がいると「従属節の中には取り立ての「は」はほとんど出てこないはずなので、主節か従属節かを区別する素性は重要」みたいな言語学的な知識が次から次に教えてもらえるので、勉強になる。

しかし「こういう設定でやってみたら」と言ったら1週間も経たず実験して結果を教えてくれるというのはすごいなぁ。今年の M1 の人たちはすばらしい。こう手が動く人たちがいると、いろいろ明らかになっておもしろい (笑)

昼 M1 の人の学生発表を聞きに行く。やはり実験結果があると聞いていて楽しいですな〜。一番いいのは「こうなるはずだと予想して実験したら予想の通りだった/予想と違った」というような理屈(ロジックとかストーリーとか)が分かるような発表かな。

午後は研究会。M1 の人たち2人の発表にいろいろコメントがつく。@tomo_wb くんは最近相当実験しているので、内容もおもしろかった。述語項構造のタグ付けも「楽しい」と進んでやってくれる稀有な人材である (笑) 大感謝〜。M1 の人たちも段々研究が進んできたようで、盛り上がってきたかも! :)