研究室を回していくためには

午前中は言語教育のミーティング。いろいろ研究ネタはあるのだが、なかなか人(=学生)がいないので難しい。学生数は多いのだが、夏休み明けくらいまで授業だとかインターンだとかで研究に取りかかれないので……。特に大学院から分野を変えて来た人たちはなかなか研究テーマを半年やそこらで見つけるのは大変なので、最初はDの人の研究を手伝うところから始める、というのもありかなと最近は思う。(D 進学する人はもっと考えたほうがいいが、M で出る人は考えられる時間が短いので)

今年は(今年も?)受験生で「生駒日記を見ています」という人がけっこういるようで、秘書さんにも「またブログ見て来た人ですか」と呆れられたりするのだが、先日「今年は Twitter 見ていますって人も半分以上いるんですよ」と言うと見学の人も「はい、Twitter もときどき拝見しています」と言われたり(笑) Twitter や日記を見て(自然言語処理もしくは NAIST に興味を持って)来てくれるのは大変ありがたいことなのだが、Twitter やこの日記は研究室のほんの一部の側面しか伝えることができないし、研究室でどんなことをしていて、どんな研究に強みがあるのかはちゃんと調べてきてもらいたいし、そういう強みを活かした研究テーマを選んでやってくれるのが(お互いにとって)いいような気がする。

松本研に関していうと、自分が松本研に貢献しているのはほんの少しであり、もっとおもしろいテーマ・すばらしいスタッフ・優れた環境などなどあり、それを伝えるのはこの日記では不可能なので、受験希望生はぜひオープンキャンパスなどに足を運んで、在学生からどんな研究室なのか聞いてもらえるといいと思う。

さてさて、昼はちょっと抜けて歯医者(予約がこれしか取れなかったのを忘れていた)。最近親知らずがどんどん歯を押して前歯の歯並びが悪くなって来ているので、そろそろ抜いてほしい(と思ってから早5年)のだが、「レントゲン撮らないと分からないですね〜」と言われて歯石だけ取られた。なんか損した気分。

夜は yasunori-k さんとご飯。今後の予定などを聞く。システム開発で博士号を取るのは自然言語処理では非常に厳しいので、ふむふむとお話を聞いたり。最近どなたかからお伺いしたご意見だが「博士後期課程に進学するにしても、研究者として生きていく以外の方向性を最初から考えるのもたぶんアリで、毎年インターンシップに行くとかすればいいのでは」ということで、確かにそうかも、と思ったりする。

「科学者たちの奇妙な日常」

科学者たちの奇妙な日常 日経プレミアシリーズ

科学者たちの奇妙な日常 日経プレミアシリーズ

を読んでも思ったが、博士号を取ったからといって大学に残る必然性は全然ないし(というか大学に職が見つかる人のほうが少ないし)、最初から「自由に使える+3年」だと思って課外活動に精を出すのも(研究室がそういう雰囲気に寛容的であれば)いいんじゃないかな〜

最近「研究者とは」という本をちょくちょく読むのだが、学生のときに読んでいたら学生視点で読んでいたのに対し、なんだか教員目線で読むようになってしまって微妙な感じ。逆に言うと、教員目線で書かれている本は少ない(母集団が小さいんだから学生目線で書いたほうが売れるだろうしそれは仕方ないこと)ので、ところどころに見える愚痴とかコツみたいなもの(行間)のほうが参考になるし、そういうのを得るためには Twitter (に近頃急増して)いる研究者・教員の人たちをフォローしてみたり、こういう本をたくさん読んでみたりするのがいいのだろうか。奈良にいるとあまり研究室の外の人と交流がなく、ときどき不安になる。落ち着いて研究するにはいちばんいいのだが……

ちなみに上記の本、内容は一般の人向けに研究者の生態を伝えるという意味ではけっこうよくできているのだが、文体が読んでいて(自分的に)しんどい。ブログならまだ許せるが、本で「◯◯だそうです♪」とかや「た・だーし」とか「いらっしゃるんですよ☆」とか「そーんなことはじぇんじぇんありません」とか多用されていて、身近に感じられるようにそういう文体で書いているのかもしれないが、逆効果だと思う……。