Palm Pre の日本語入力環境

先日のことだがMini's IMEというのがリリースされたそうだ。これは Palm Pre 用の日本語入力環境。

Palm Pre は webOS という OS が動いているのだが、これはアプリケーションを JavaScript で書くことで自由に拡張できるので、JavaScript でがんばって書いているようである。ちなみに Palm Pre は日本語入力がデフォルトでついていないので、オンラインで AjaxIME とかブラウザを使えば入力できたようであるが、これまで日本語を入力する方法がなかったのであった。ちなみに上記のページにスクリーンショットがあるのだが、フォントも日本語が表示できるとはいえ、いまいちなような……

コードを読んだわけではないが、変換方式は「漢字から始まる文節変換方式」のようで、変換のイメージを見るとどうも SKK で送りがなだけ自動でつけたような感じかな? (Palm Pre 持っている人いたら教えてください) 連文節変換で N-best を出そうとすると、どうしても A* サーチなりビームサーチなりの人工知能の知識が必要になるのだが、計算機科学出身じゃないとこういうアルゴリズムを理解しないといけないというだけでも、けっこうハードル高いのかもなぁ、と思ったりした(そんなに難しいわけじゃないけど)。単語単位の変換のみサポートして、あとは単語の (unigram) 頻度だけで並べる、というのは、確かに実装もアルゴリズムの理解も(SKK 並みに)簡単であるというのは利点だなぁ、と。

やはりこういうのを見ると、まだ日本語入力環境も、少なくとも開発者にとっては洗練される余地は大いにあるな、と思うのであった。アルゴリズムの部分は分かりやすくしておくか、もしくはライブラリなりサーバなりに隠蔽しておいて、あと UI の開発に優れた人が使いやすくしてくれるような。(コアのエンジン開発者と UI の開発者の接点が変換結果の学習や修正なわけだが、そこはどうするのがいいのだろうか。正解はないような気がするが……)