ATOK 2010 発売

少し遅い話だが、ATOK 2010 が発売されたようだ。

ATOK 2010 for Windows アカデミック版

ATOK 2010 for Windows アカデミック版

毎年きまったサイクルでリリースするというのは、どこが新しくなったか説明するの大変な気もするが、ルーチンになっていたらそれでも出すのだろうか……。

Google 日本語入力に触発されたのか、「ニコニコ日本語入力 powered by ATOK」公開という話もあるのだが、やはりインターネット上でのコミュニケーションに特化した日本語入力が求められているということなのだろうか(単に「Google 日本語入力ではこれができるのに、ATOK ではなぜできないのか」というのに対応しただけかもしれないが)。

Google 日本語入力も開発版をリリースしたようで、このあたり動きが速くなってきているような気がする。

そういえば一太郎発売25周年なので「一太郎はこうして生まれた」という記事が公開されていて、ウェブでも読める。入力した文字を感じに変換するキーをスベースキーにしたのは一太郎が最初だというのはよく聞く話(昔は変換用のキーが専用にあったことを知らない人も最近はいるのだろうか……)だが、

 一太郎には、開発者の親心とでもいえるような、繊細な心遣いが随所にある。それが、やさしい操作性として、ユーザーに認識されている。
 たとえば、入力した文字を漢字に変換するキーをスペースキーに割り当てている。キーボードには変換キーがあるにも関わらず、プログラムでスペースキーを使えるようにしてある。これは英文を打つとき、単語間にスペースを入れるのと、日本語入力時の文節ごとの変換を同じように扱うのが、最も自然で日本人の感覚に近いと考えたからである。
 指の配置から考えても、最も多用する変換機能をスペースキーに割り当てるのは理にかなっている。「やさしい」だけでなく、機能的なのである。
 一太郎にはコマンド入力時に、なるべく機能キー(キーボード上段のキー)は使わないという方針があった。これは、「タイプ入力のベテランは、遠くにある機能キーを1タッチする間に、近くのキーは4タッチできる」という分析からだ。

というわけで、英語との類推でスペースキーを使うようになった、というのは初めて知って「なるほど」と思った。でも、こういう思想でスペースキーを変換にしたということは、単語単位での変換、もしくはせいぜい単文節単位での変換を念頭に置いて、このようなキー割当をしたということで、割とアルゴリズムも洗練されて、速度も向上した現状では、「スペースキーで変換」という入力方法は、現状にそぐわないだろう。実際、携帯電話のように予測入力がデフォルトになっている入力メソッドでは、スペースキーに相当するキーが存在しないし……。

予測入力に最適なインタフェースってなんなんだろう、と考える一日であった。