スティーブ・ジョブズと Disney Research

昨日書いた通り Apple で仕事することになったので、今さらながらジョブズ本を読んでいる。今日読んだのは

で、基本的には半分くらいスティーブ・ジョブズ神の交渉力に書いてあったことと同じなので、目新しいことはなかったのだが、「神の交渉力」はジョブズの強引すぎる手腕に焦点を当てているのに対し、こちらはもっとジョブズの考え方を書いている(ので、読み物としてはおもしろくないが、内容は参考になる)。

孫引きだが、ジョブズがよく引用する言葉として、ウォルト・ディズニーの「われわれの値打ちは次回作で決まる」という言葉があるそうだ。1回ヒットしたからといって次も成功するとは限らないし、第2作、第3作とヒットを打たないと実力は認知されない、というわけ。ジョブズは Apple をクビになったあとピクサーという会社をジョージ・ルーカスから破格の値段で買い取って映画業界に来たのだが、「トイ・ストーリー」とか「ファインディング・ニモ」とかヒットを連発して大成功したのは周知の通り。こういう信念を持って行動するのは強い。

そういえば今日[http://www.disneyresearch.com/:title=Disney Research]というのがあることを知ったのだが、ディズニーでありそうなグラフィック関係の研究だけでなく、機械学習データマイニングの研究もしているそうだ。どこでなにしているんだろう……。ちなみに、[http://corporate.disney.go.com/careers/students.html:title=ディズニーでのインターンシップについてはこちら](もちろん勤務地はアメリカを中心とした海外だが)。

ディズニーで研究と言えば、CMU の(故)ランディ・パウシュ教授の「最後の授業」というビデオ(本)があって、それでサバティカル取ってディズニーで働く話が出てくる。子どもの頃からの夢を叶えていて、本当に楽しそうでこちらもうらやましい。まだ見てない人はThe Last Lectureの右側のリンクをクリックすると動画が見られる(英語の字幕つき)。

あと本は

最後の授業 DVD付き版 ぼくの命があるうちに

最後の授業 DVD付き版 ぼくの命があるうちに

で、裏話とか別のエピソード、そして子どもたちに向けてのメッセージも書かれているので、動画を見た後にこれ読むと泣ける。そもそもDisney Research Pittsburgh は CMU の近くに作ったそうで、ランディ・パウシュと関係があったからかなぁ。

日本から海外の研究機関へリサーチインターンとして数ヶ月-半年行くのは間違いなくお薦めコースなので、博士後期課程に進学予定・在学中の人は、自分の分野を研究している海外の研究所をいろいろ調べておくとよいかも。

さて、孫引き続きだが、ジョブズが好きな言葉のもう一つに、ピカソの「平凡なアーティストは模倣する。偉大なアーティストは奪う」というものがあるそうで、研究も同じだなぁ、と思った。真似るだけじゃだめで、完全に自家薬籠中のものとして、新しく自分のテイストをつけて、違ったものを出さないといけない。模倣にはリスクも少ないが、革新もない、というわけで……。

こういう技術革新を進めていけるのはものすごいリーダーシップが必要なんだろうなぁ。