理系白書2:「理系」という生き方

先日理系白書(講談社文庫)を読んだついでに Amazon でお薦めされた「理系白書2」を読んでみた。

「理系」という生き方 理系白書2 (講談社文庫)

「理系」という生き方 理系白書2 (講談社文庫)

内容的には3/5が理科教育についての話、残り1/5がポスドクを含めた理系出身者の就職先の話(銀行とか金融とか「文系就職」含む)、残り1/5は雑多な話。

教育についてはいろんなところで繰り返されている話なので、新聞記事のネタとしては食いつきがいいのだろうが、正直なところ、お腹いっぱい。とはいえ、データやグラフがふんだんに出てくるので、その点有用だろうとは思う。

残りの2/5は(当事者としては暗い話が多いが……)それなりにおもしろい。「こういう道もあるのかぁ」と思わされる。まぁ、典型的にうまく行っている人と典型的にうまく行っていない人を取り上げているのかもしれないが、早々と離脱して証券マンになる人とか、高校教師になる人とか、たぶん今だと公認会計士になる人や弁理士になる人、法科大学院に通い始める人などいろいろ出てくるのだろうが、いろんなパターンがある(「文系就職」についてはかなりの紙面が割かれているので、現在理科系の学部でそういう就職をしようと思っている人、もしくは理科系の修士でもシンクタンクとか研究開発系統以外の就職をしようと思っている人は参考になるのでは)。

理系(特に研究)から人が流れているのは収入が安いからだ、と嘆く教授の話なんか読むと、あまり人ごとではない。こればかりはもっと国が援助するべきだと思うのだが……(もしくは民間で博士をもっと使う)