2008年のまとめ

さて2007年に引き続き今年を総括。

1月-3月は実験と論文書きに追われたが、充実した3ヶ月だった。結局そこでしていた実験が言語処理学会年次大会の最優秀発表賞につながり、COLING には落ちたが EMNLP には通ったので、結果的にも報われたと思う。shimbo さんの研究力に圧倒。修士と博士の違いは技術力ではなく、研究力なんだということを体感した。また、昨年 Microsoft Research でやっていた研究を人工知能学会論文誌に通せたので、一段落。NAIST の卒業要件(国際会議1本論文誌1本が最低ライン)を満たして気楽になったし、日本にいて追加実験がほぼできない状況で、いかに説得的に書けば読み手に納得してもらえるかといういい勉強になった。あとはインドでの国際会議(IJCNLP)で同じ内容について発表してきて、これで研究1サイクル回したな、という経験を初めてでき、成長できた。

4月-6月の最大イベントは結婚式と奈良での新生活かなぁ。生活がけっこう変わってしまい、最初の数ヶ月は慣れるのにお互い苦労した。でも毎日の生活は楽しいし、来年は妻が復学してしばらく別居になるので、その前に2人で暮らせたのはよかったと思う。研究的にはあまり進展はなかったが、ChaIME の開発に多少時間を使えたので、一応他の人でも試せるレベルに持って行けた。あと、NTCIR の特許翻訳タスクに NAIST-NTT チームで出ることにしたので、妻が奈良に来るまでは NTT CS 研に行ったり NAIST に立て籠もったりして実験をしていた。手法的にはコアの部分は3月までの実験と共通だったので、プログラムとしては新しいことをしているわけではなく、使い回しできるようにツール化していただけだけど……。

7月-9月は新婚旅行と(EMNLP の)論文書き、そして ChaIME の発表(情報処理学会夏のプログラミングシンポジウムと NLP 若手の会)。国際会議に投稿できるような研究をしないと、と思いながら、手を広げすぎているせいか時間が足りない、というのが反省点。ChaIME をもっと研究的にしてどこか国際会議で発表したいと思っていたのだが、結局どこにも出せなかったのが残念。2009年になんとかしたい。9月の頭からは(インターンシップ的な)共同研究がスタートし、月1回1週間程度の東京出張が入るようになり、いろいろと物の見方が変わった(就職活動を意識して本を読むようにもなった)。ただ、近大の非常勤も始まったので松本研の勉強会や研究会に参加できないことが多く、学生として籍を置いていても毎週の勉強会・研究会に出られないのがここまで不利益になるのか、とびっくり。来年は非常勤は断ったので、できるだけ研究室にいたいと思う。

10月-12月は国際会議発表(EMNLP・NTCIR)と実験。だいぶ知見が集まってきたので論文誌2本目そろそろ書いた方がいいんじゃないか、と思いつつ、時間が過ぎゆくのみ……。あと、今年やった新ネタがないのはどうかと思ったので、実験を始めたのだが、細切れの時間ではいかんともし難い。時間の使い方考えないといけないんだな、と痛感(で、結局2009年の年次大会はパスすることになったわけだが……)。年末は IM 飲み会を無事開催することができたのが一番の収穫。こうしてみると、今年は ChaIME にはじまって ChaIME に終わった1年かも?

今年の目標達成率(というか満足度)は50%くらいかなぁ。「やりたいことをする」というのに関しては、やりたいことをやった感はあるのだが、集中するところを決めてコンスタントに続けていかないと最後まで行けない、というのが多かった(「やりたいことをする」と「やりたくないことはしない」というのは別で、そういう意味では「やりたくないことはしない」というのはほぼ満点つけていいが、「やりたいことを完遂する」というのが満足度低かった)。「健康的な生活」と「家族を大事に」という目標はそれなりに達成できたと思う。来年は「選択と集中」をキーワードにがんばろう。