アイデアが被ってしまうこともある

週に3日くらい、娘が夜泣きするのがつらい。午前1-5時の間に1回だけなのだが、「嫌だー」「やだよー」などと叫びつつ、イヤイヤ。寒いわけではないようで、お腹が空いているわけでもないようだが、水分補給させて落ち着いたところで、「抱っこ?」と促すと「だっこ」と言うので抱いたまま寝ると寝てくれるのだが、起きてから寝るまで小一時間かかるので、親は覚醒してしまい、また寝る負荷が高い。まあ、横になったら1分以内に寝られるのだが、寝ても疲労が回復しないのである。

午前中は今年度最後の情報抽出勉強会である。情報抽出勉強会メンバー5人中3人が3月で卒業するので、来年度は深層学習勉強会にマージされそうな勢い(そもそも進捗報告も合同でやっていたし)。深層学習に迎合しない shallow な手法を追求する勉強会として存続する、という道もあるのだが……。

午後は深層学習勉強会。結果が芳しくなかったので言語処理学会年次大会での発表を見送った研究について、サーベイをしていたら、提案手法そのままの論文が EMNLP 2015 に発表されていた(提案手法を考えたのは EMNLP 2015 の accepted papers が出る前で、その後しっかりサーベイしていなかった)、という報告を受ける。

先を越されたのは残念だが、方向性は全く間違っていない、ということなので、むしろよいことではないか? と思っている。実験を始める前から、このアイデアなら ACL や EMNLP の full paper 可能、と伝えていたし、トップカンファレンスに通るアイデアが M1 でも出せるようになってきた、という意味で、研究室としてはかなりレベルアップしている(通るところまでブラッシュアップできるどうかは確率的な問題)と考えている。あとは実装速度との兼ね合いで、レッドオーシャンに飛び込むならかなり手を早く動かさないといけないので、速度勝負したくないならブルーオーシャンに行くべきではないかと……。

最近 Twitter で見かけた話で、学生のころはたくさんサーベイをしてそこから研究アイデアを着想していたが、博士号を取ってからは研究アイデアが先に浮かんでそれから先行研究をサーベイする、というのがあって、自分も最近は後者になってきた。経験を積むと研究分野の中の問題点が頭の中にできてきて、その問題点と手持ちで使える手法(新しい手法は時間とともに増える)との組み合わせで、これはよさそうな研究ネタ、というのが浮かび上がってくるのかな、と思う。学生のころは、研究テーマってどうしたら良さげなのが思いつくんだ? と思っていたし、助教のころは、良さげな研究テーマを思いつくとして、それを枯渇させずコンタスントに続けるにはどうすればいいんだ? と思っていたのだが……。(教員になってからの経験則だが、国際会議の論文を査読したり、時々国際会議に参加したりして、最新の情報を仕入れたりすることが重要っぽい。どんな国際会議でもいいわけではなく、トップカンファレンス群でないとあまり意味ないが……。)

午後3時が修士論文の提出締切だったので、駆け込みで最後のチェックをしたり、他の研究室の学生から修士論文を受け取ったり。うちの研究室は修士論文の事例が少ないので、あまり参考にならないのだが、他の研究室の学生の修士論文を見ると、ちゃんと表紙が付いていたり、予稿が綴じてあったりして、体裁がしっかりしている(内容は、研究室によりけりだが)。こちらも毎年少しずつうちの研究室でも洗練されていくのかなと思っている。

夕方は M1 の公開期末評価の発表練習。半年ごとに研究の進捗を他の研究室の教員に発表する、というのが義務なのだが、必ずしも毎回同じ教員にお願いする、というわけではなく、短い時間でどこまで伝えればいいか、というのが難しいように思う(半年前に聞いていたとしても、ほとんど覚えていないだろうけど)。今年度は2グループ(山口研・高間研グループと石川研・片山研・三浦研グループ)に分けて実施しているのだが、人数の制約で出入りがあったりするのも悩ましいところである。