共著者

ryu-i さんがイギリスに行ったのだが、今年6月末にチェコで開催されるワークショップの論文の〆切が今日くらいらしく、カメラレディとして提出するにはまだクオリティが高くないということで乾先生とさらに手を入れることになっていて、先週水曜日に論文キット一式を譲り受けていた。今週末はそれの手直し。いずれにせよ採択通知からカメラレディ提出まで1週間あるかないかという強行スケジュールになっていて、ryu-i さんはしばらくメールすら見られないらしいので、こちらで直すしかないのであった。

自分の研究と関係するのは全体の1/4くらいで、その部分はもう書き換えることもなく、乾先生が書き直していた部分だけ差し替えて残りはそれに合わせて整合性を取って今日出すかなと思っていたのだが、最後の部分も「この部分提出前にはあまり見ていなかったけど、これが今後参照されることを考えるともっと分かりやすく書き換えないとだめだよ」ということで、ryu-i さんが書いていた部分にも手を入れる……。ちょっと心臓に悪い。

理科系の論文は共著といっても基本的に第一著者がいちばんその研究について知っていて、2番目以降の人は研究の細部について必ずしも知っていないというのは、自分で情報科学の大学院に来て初めて分かったことで、文科系の学部にいて想像していた「共著者」というのとはだいぶ違った。特に最後に名前を連ねている人はだいたい研究室のボスで、ただお金(研究費)を取ってくるだけの関係のこともある。

いまいる研究室の松本先生は、研究室の学生なら外部発表の論文でも内部向けの論文でも分け隔てなく何回でも読んで詳細なコメントくれるので、その意味ではものすごく恵まれていると思う。内部発表も外部発表もいずれも研究室で必ず最低1回は発表練習するし、直接研究指導していなくても絶対つき合って的確なアドバイスもらえるのはとても幸せなことだと思う。

同じ研究者になるにしても、学部からそのままこういうふうに実際に体験することなく科学哲学の院に進み、したり顔で科学者ってこんなものだと他人が書いた論文や本だけから想像して書いていたりした可能性を考えると、恐ろしいものである。.