クラウドで TeX を書くのは躊躇する

午前中は B3 の研究室インターンシップ。今日はメンターの学生がインターンシップでいないので、アノテーションを確認したり、LaTeX の書き方を確認したり。今回は Overleaf で書いているのだが、エディタのキーバインドがよく分からず手間取る(テキストのコピペをしたかった)。vim キーバインドがあると知ったので、現在は設定したところ、それなりに使いやすくなったが、みんな使うなら研究室でお金払ってもよさそう?(結局、3人以上で書いている場合は使いやすいが、書く人とコメントする人が完全に分かれていて、書く人が1人である場合は、特に使いやすいというわけではなさそう)

昼はオフィスアワー。論文誌の査読コメントに対する方針を議論したりする。「自然言語処理」は年4回の〆切を設ける同期型の査読システムになったのはとてもいい変更だと思う。今後も積極的に活用していきたい。研究内容によっては、英語で論文を書く意味があまりない場合があり、そのときでも適切な査読を受けられるというのは大変ありがたいのである。査読付き国際会議の論文を発展させて論文誌に、というような使い方は、博士後期課程の学生でなければ、あまり意味を感じないので、現在の研究室ではあまり考えていない(日本学生支援機構奨学金の返還免除を狙って投稿したいという学生がいれば、それは投稿してもらっていいと思うのだが、〆切のタイミングを考慮すると M2 の8月1日〆切のサイクルで投稿しておかないといけないのがネック)。

午後は教授会。例によって学部教務委員長業務でいろいろと承認を得たり報告をしたりしないといけないことが多く、気が抜けない。今回は南大沢とのウェブ会議システムのやり方を少し変えたので、音声の通りが若干改善された気がするが、根本的にはハードウェアの問題だと思われるので、システム更改までこのままだろう。

教授会のあとはカリキュラム委員のお仕事。情報科学科と電子情報システム工学科はいくつか授業を相乗り(同時開講)しているのだが、いろいろと経緯がある、というお話を聞く。自分は背景については特に考慮せず(聞くこともなく)、情報系の学部教育として理想的なカリキュラムはどういうものか、というものを考えて構成したし、それでよかったと思うが、それによって増える負担もある、という話。これ自身は(聞いていない人には「え、なんで」と思うかもしれないが)想定されていた制約で、自分も「いろいろ課題はあるのだけど、最初から課題を考えているといいカリキュラムにならないので、制約を取り払って考えてほしい」と繰り返し言われていたし、その制約とはどういうものか、というのを改めて認識した感じ。

まあ、カリキュラムが落ち着くまでは10年くらいかかると思うし、この部分は10年で大きく内容が変わるものでもないので、気長にやるしかない。自分としては、最初にモチベーションを上げるような体験をいろいろしてもらった上で、みっちり理論を含めた基礎を叩き込む、というようなステップがいいと思っている。たとえば、専門学校でどのようにプログラミングを教えているかという記事が大変参考になり、大学は専門学校と違って体系的に(20年使えるような)理論を教えるべきだという考えではあるが、とはいっても全然プログラミングができないと楽しさも分からないと思うので、こうやって「叩き込む」系のやり方がうちの環境ではベストなのではないか、と思っている。(強制されるとやる気をなくすような学生もいると思うが、本学の学生の大多数はそういうタイプではなく、きっちり決まったテキストなり大量の練習問題なりがあって鍛えられるほうが、しっかりやってくれて満足度も高いようなので)