論文を読む抵抗を減らしたい

午前6時から2時間メール処理。色々やらないといけないことが山積み。

出勤して午前中は古典の論文紹介。

  • Philipp Koehn, Franz Josef Och, Daniel Marcu. Statistical Phrase-Based Translation. NAACL 2003.

これは統計的フレーズベース翻訳の古典論文。細かいところは他の論文を参照する必要があるが、この論文で書かれているフレーズベース統計翻訳のストーリーは分かりやすい。ただ、いま見ると何をやっているのかよく分かるが、D3 くらいまでは、これを読んでもちゃんと理解できていたとは言い難いし、ニューラル機械翻訳世代の人が読んでも分からないかもしれない(汗)統計翻訳に関してはチュートリアルや教科書も多数あり、必ずしも論文を読むのが効率がいいわけではないからな〜。(ニューラル機械翻訳については、教科書より論文を読むのが効率のいい学習方法だと思うが)

昼からカリキュラムに関する打ち合わせ。情報系の学科としてどういう数学的知識が必要か、という問題なのだが、情報系で必要になる(工学的な)数学って、数学の中でもかなり特殊な部分だと思うし、それに特化した内容の教科書を1冊やるのが一番よさそうだが、(担当する教員の)理解が得られるかどうか……。

午後は研究会。YANS自然言語処理の若手の会のシンポジウム)に向けた進捗報告。新入生にはみんなメンターをつけることにしたので、みんな何か研究して発表するのかと思っていたが、どうも新入生は B4 と研究生以外は発表しないようで、これならやっぱり外部から来る新入生に(少なくとも B4 の学生たちと同じ枠組みで)メンターをつける意義がないような……。まあ、M1 は基礎勉強会以外に授業を取る必要があるので、仕方ないといえば仕方ないのだが(博士後期課程に進学するつもりの人は、就職活動をする必要がなく、M1 で授業を取り切る必然性がないので、授業の量を減らして研究をすべきではないか、と思わなくもないが、他の人たちと同時期に授業を履修する方が楽というのは楽なので、本人に任せる他ない)。

今年度は試行としてやってみたが、来年度は M1 の外部受験生に(B4 と同じ枠組みで)メンターをつけるのを止めようと思う。一方、研究生や D1 の人(のうち希望者)にメンターをつける意義はあると思うので、M1 以外の新入生にはメンターを用意したい。そもそもメンターをつけるのは自力で国際会議に通るような研究テーマを出すことにハードルがあると考えているせいだが、今後は博士前期課程の受験生でもフルタイムの学生には入学前に研究計画書をしっかり書いてきてもらう(100本とは言わないが、十本以上はトップカンファレンスを中心とした論文を読んできてもらう)つもりなので、少しは改善するかなと思っている。