オンラインだと顔色が分からない

今日は上の子は保育園の遠足の日だが、下の子は体調不良のために病児保育。風邪+中耳炎ということなのだが、脇腹にビー玉くらいの大きさの出来物ができていて、こちらが原因なのかも知れず、診察してもらう。抗生剤を飲んでいるから大丈夫でしょう、ということだったが、さすがに膨れすぎているので切開して膿を出してもらったりする。何かに感染しているのだと思うけど……(妻曰く破裂すると危険らしいが)

午前中は言語学100本ノック。今週から3限が授業なので、早めに終わらないと昼休みがないまま授業に突入することになるため、結局クリスマスまで勉強会をやることに(毎回少しずつ長くやり、クリスマスは勉強会をやらない、という選択肢があった)。

昼からはデータ構造とアルゴリズムの授業。後半の分担なので、今日からが担当なのである。前期の授業は課題を Google Classroom で出していたのだが、この授業は前半の分担が内製の kibaco という EMS を使っていたので、後半だけ変えると学生が混乱するかと思い、kibaco を使い続けることにする。kibaco は不具合も多いし正直なところ使いたくないのだが、仕方ない。この授業、毎回授業中に演習を少しやってもらっていたのだが、対面だと教室内を巡回して出来具合がなんとなく分かるのに、オンラインだと全然分からない(分かっていないと言うことも分からない)のが厳しい。演習や実験を担当している先生方は、こんな五里霧中の中やっていたのか……と思ったりする。

午後は機械翻訳グループの進捗報告を聞く。これまで研究についてはほぼ学生に任せっきりで、ありがたいことにうちの研究室には優秀な学生が集まってくれていたのでそれで回っていたのだが、最近は少しずつ自分でも研究のアイデアを考えることにしている。研究のアイデアを出そうと思うとそこそこサーベイをしないといけないのだが、昔は(どういう問題が未解決かという)サーベイをしてから(その問題を解く)アイデアを考えるという順番だったが、今は(未解決の問題はそれなりに認識できているので、それを解く)アイデアを考えてから(似ていることをしている人がいないかと)サーベイする、という順番になっている。アウトプットのためにそれなりのインプットが必要となる前者より、後者のスタイルの方が好ましいと思っていたので、その練習でもある。

研究者としては、アイデアを論文にする、という方向の「翻訳」をすることで論文を書くわけだが、ではこのアイデアはどのように得るのか、ということが疑問である。うちの研究室では、新入生は大学院生のメンター(先輩)がアイデアを新入生(後輩)に渡す、ということで、最初のアイデアを得る部分のブートストラップをしていて、2つ目以降の研究テーマを自ら考える、という形でトレーニングしてもらっているが、どのようにしたら(自分も含めて)研究のアイデアが思いつくのか(「翻訳」のアナロジーで言えば、論文からアイデアを出すのは「逆翻訳」をすることに似ているが、微妙に違う)、というのがよく分かっていない。そもそもそれはトレーニングで伸ばせるものなのか、というのも自分には分からないのだが、自分自身これが苦手であることが分かっているため、うまいやり方が分かったら他の人に伝えられると思うので、色々と試してみたいと思っている(目安としてはあと10年弱くらい)。