男性ができる育児入門

娘とかなり離れた別室で朝8時まで休ませてもらい、体調は回復。しかし夜泣きというか夜中にずっと寝てくれず、ほとんど寝られなかったらしい。全く起きなくて申し訳ない……。

朝の最初の大仕事は沐浴。市役所の両親学級と病院の両親学級で2回も沐浴体験を受けていたのだが、何回やろうと畳の上の水練に近く、四苦八苦。赤ちゃんの模型は硬かったが(妻曰く、実習用の模型は「ノブナガ」みたいな名前がついているらしい)、実際の新生児は柔らかい! 首もすわっていないので常時手で支えないといけないし、石けんで全身ぬるぬるなのに片手で3Kgを支えながら頭と手足、前面と背面を洗う必要がある。これは力が必要なので、男性にやってほしい育児仕事というのが初めて納得。バスチェアを買えばいいんだろうか?

授乳やミルクのサイクルがよく分からないのだが、母乳だと消化がよいようで、1時間くらいでまたほしがってしまう。まだ胃袋が小さいので、お腹に貯められる容量が少なく、ミルクも1回あたり最初は10ccから与えていて、え、これだけ?と思ったものである。

しかしさらに分からないのは、どれくらいミルクを飲ませてよいか。我々は、完全母乳にするつもりはない(0歳児のまま保育園に預けるため)し、免疫のことを考えると少なくとも初乳は十分飲ませたいので完全ミルクでもないし、いわゆる混合なのだが、混合で育てるとすると、母乳のあとに足りない分をミルクで足すように言われるのだが、どれだけ足せばいいのか、育児書にも書かれていない……。

多過ぎて吐いて窒息しても困るので、最初は20ccからにしているのだが、満腹にならないと寝てくれずまたすぐミルクを欲しがるので、休まる時間がないのである。結局、母が「1回当たりのミルクの量は普通は産まれてからの経過日数×10cc」と教えてくれたので、だいたい見当がついたが、難しいものである。(あとから振り返ってこの日記を書いているので、「そんなの検索すればいいじゃないか」と思う方もいらっしゃるかもしれないが、驚くべきことに、検索している余裕すらない!)

午後から母が来てくれたので、サミットまで買い物に行く。毎回来るたびに差し入れをしてくれるのだが、母が買いたいものを買ってくるので、必ずしも必要なものが揃うわけではないのである(冷蔵庫の中身も見せていないので、仕方ないけど)。買い物から帰ってきたら母は速攻で帰ったが、この速さが母らしい。それでも1時間でもいてくれるとありがたくはある。

18時にミルクをあげて娘が寝てくれたので、20時まで3人でうたた寝。初めて緊張が解け、ほっとできた気がする。

夕食を作って食べたらもう22時。合間合間に授乳やミルク、オムツ交換があるので、時間の経つのが早い。ミルクをたった20cc(理科の試験管がだいたい15cc。ヤクルトは1本65cc)飲むだけで、哺乳瓶を使って必死に吸って20分かかったりする、というのは(考えてみれば当然だが)新鮮な驚きであった。数時間ごとに「ア、ア」と言うので授乳あるいはミルク、20〜30分かけて飲み、飲み終わったらそのまま寝て次の授乳、というのが延々続くので、その合間にそれ以外のことをするしかない。夫婦で協力して、授乳している間ミルクを用意したり、ミルクをあげている間にシャワーしたり、ご飯を交互に食べたり、突然海に放り出されて息継ぎをしながら泳いでいかないといけないけど、どこに行けばいいのか分からないし、考えている間に次の息継ぎをしないといけない、そんな感じ。まあ、数日経って慣れてから思い返してみると、多分大事なのは「全員で溺れないこと」なんだろう。

夜は結局妻がダウンすることを一番避けたいので、娘と自分が2人で寝て、妻は別室で休み、深夜の授乳は自分が起きてミルクをあげることにした。自分はのび太並みにすぐ眠れるので、起こされても大丈夫なのである(起きないかもしれないのが心配だが……)。