文学部は永遠に不滅です

午前中、ACL や ICML の開催地や開催時期を調べたり。今年はアメリカ西海岸だな〜。

Paper bidding というものを初めて体験。自分で「この論文は読みたい」「この論文は利害関係があるので査読できない」とかいうのを申請し、それに基づいて査読が割り当てられる、というもの。本文は割当が決まるまで読めないが、投稿された全論文のタイトルとアブストラクトが読める。この中から通る論文と通らない論文が分かれているのだろうが、世の中のトレンドがどういうところにあるのか分かってなるほどな、と思ったり。

しかし Paper bidding では「最低でも50本読みたい論文をマークすること」だって。50本もないよ〜、と思いながらがんばってマーク。アブストラクトに数百本は目を通しただろうか、けっこう時間がかかった……。

昼、修論発表会練習x3。15時から別の研究室の学生たちの修論発表会の司会に当たっていたので、最後まで聞くことができず、配ってもらったスライドにコメントを書き込んで渡す。

午後、修論発表会の司会x4。ランダムウォークに対応した量子コンピューティング版のカンタムウォークなんてものがあるらしい。ランダムウォークより遥かに速く収束する(こともある)そうで。量子マルコフ連鎖とか言うのだと。へー

  • Esma Aimeur, Gilles Brassard, Sebastien Gambs. Quantum Clustering Algorithm. ICML-2007. PDF

最後の司会、途中でPCがフリーズしたりしてちょっとびっくりしたが、なんとか完遂……。今年は Ustream でライブ中継されているのだが、学内にいるならネット中継よりテレビで見た方がクリアでいいらしい。確かにネット中継だと文字が潰れて読めないことあるので、自分はUstream で勉強会を中継されても音声しか聞かないことが多いのだが、そのうち改善していくのだろう、きっと。

Yahoo! 知恵袋のデータをちょっといじる。というか XML 処理。XML に始まり、XML に終わる。自分が自然言語処理の研究に入ったのも、国語研で日本語話し言葉コーパスXML 処理のアルバイトをしたことがきっかけなのだが、NAIST に来る前の年まで「自然言語処理」という分野自体知らず(言語学は高校のころからかれこれ6年くらい勉強していたけど)、知らない人は知らないんじゃないかな〜とよく思う。工学系はどれも高校まで学校で習う教科に対応するものがないので、その点ちょっと宣伝しないと分からないのかも。

@sesejun さんから先日聞いたのだが、最近の高校生、小論文だったか面接だったか分からないが、「エクセルを使って簡単に数字が入力できるのが好きで、パソコンを勉強したいと思ったので情報科にしました」という人がいたらしいが、たぶんそういう人が向いているのは情報科ではなく経営学部とか経済学部なんじゃないかと思ったり……(好きて来るなら止めはしないけど)

それで思い出したが先日読んだ「文学部がなくなる日」

文学部がなくなる日―誰も書かなかった大学の「いま」 (主婦の友新書)

文学部がなくなる日―誰も書かなかった大学の「いま」 (主婦の友新書)

も、文学部ではいま人が集まらないが、高校では国語(古文・現代文)や英語、社会科の授業があるから安定的に一定数の人が来てくれる、ということが書いてあったな。この本自体は文学部がどうというより、ここ5年くらい一気に進んだ大学の合従連衡について詳しく書いてあって、そちらのほうが参考になった。 まあ、前も紹介した
大学破綻 合併、身売り、倒産の内幕 (角川oneテーマ21)

大学破綻 合併、身売り、倒産の内幕 (角川oneテーマ21)

と比べると、前者はビジネスライクに「潰れるものは潰れる、弱肉強食」みたいな雰囲気で、後者のほうが大学のこと愛してるんだなってのが行間から伝わってくるので、後者のほうが読んでいて気持ちいいけど……