Google から「卒業」するということ

深夜から大雪のようである。道理で寒いわけである。

@shnsk さんから @gyoshiki (penny)さんが転職されたと聞いていたが、Xoogler という記事になっていたか。埋もれていて気がつかなかった。

自分が相談員から情報系に大学院で来るきっかけは @gyoshiki さん、@shnsk さんと @hikita さん、の3人からなる Team Sodan に出会ったことが大きいのだが、特に @gyoshiki さんの生き方にはいつも価値観を揺さぶられる。

元々 @gyoshiki さんが Googleインターンに行って博士後期課程を中退して Google に入ると聞いたときも衝撃を受けた(いまの日本の学生には分からないかもしれないが、2005年当時、「ヤフーに入る」なら驚かなくても、「グーグルに入る」と言ったら驚く人のほうが多かったのではなかろうか)が、今度は5年半勤めた Google を退社して、3人でスタートアップを起業するという。

自分は割と体制派というか保守的というか、大企業指向があると思うのだが、自分が「この人はすごい」と思う人の行動は、初めて見るとびっくりすることがあっても、何年か経って振り返ってみると「なるほど、先見の明があった」と思うことが大半であり、きっと今回も同じなのだと思う。

昨日書いていた文章も「アメリカの大学院を出て情報系で一番優秀な層はスタートアップに行き、次に優秀な層は MicrosoftGoogleIBM などの大企業の研究所に就職し、大学で研究を続けるのはその次の層である」ということに言及してみたのだが、日本でもすでにそうなりつつある、と感じる。(スタートアップの中には、本社は大きな企業でも、数名規模からスタートする現地法人に入る場合、スタートアップのようなものだろう)

元グーグル日本法人の社長である辻野晃一郎氏による「グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた」を先日読んだが、

グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた

グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた

読む前は、Google の日本法人のように外資系起業が海外進出するとき、現地法人のトップの人はどういうことを考えているのか知りたくて手に取ってみたのだが、前半部分のソニーのことがいろいろと初耳でおもしろかった。社費で海外留学させてもらったとき、自分は学校でへとへとになるまで勉強している一方、家で自分の帰りを待つ奥さんが泣き濡れていた、という話とか、身につまされる。

Google の話のほうはむしろちょっと期待はずれだったが、ソニー部分の話だけでも読む価値あり、あっという間に読んでしまった。辻野氏も Google が日本で社長を廃止したときに退社して新しい会社を作っているようだが、こうやって日本でも職の流動性がどんどん高まっていくのかなと思う。天の邪鬼な性格の自分は、みんなが安定を目指していたら不安定なほうへ、みんなが変化を求めていたら安定なほうへ「逆ばり」をするのだが、いまはどっちが優勢なんだろうか (笑)