Windows 7 Ultimate は高い速いすばらしい

もう今後 VAIO のサポートを頼むこともないだろうし、Windows Vista Home Basic からリカバリ直後でインストールされているアプリケーションもなく好都合だったので、VAIO type T ( VGN-TZ91HS ) に Windows 7 Ultimate をインストールしてみる。Windows 7 Ultimate はインターンシップの社員割引(卒業生はずっと使えるものらしい)でだいぶディスカウントされたものを買ったのだが、アメリカの住所しか送り先に受け付けてくれないので、一度イリノイの F 原の家に送ってもらい、そこから奈良に転送してもらったものである(ちなみに、大学に MS 製品のサイトライセンスがある人は、それでメディアを買うのが一番安いようだ)。USPS Flat rate envelop には2つ DVD が入るので、2つ詰めて送ってもらった。送料は$13.45。これまで1つは VMware仮想マシンに入れていて、1つ余っていたのである。しかし

Windows 7 Ultimate

Windows 7 Ultimate

を見ると35,990円もするのかと思うと、いくら Windows 7 は快適とはいえ、ためらうなー。英語版の WIndows 7 を日本語化したい場合、Ultimate 以外では日本語化できないので、必然的に Ultimate しか買えない(※アメリカの通販サイトなんで US 版しか買えない)し、後で述べるように Home Premium ではできないことがあるので、確かに価格が上なのは分かるが、こんなに違うとなぁー。まあ、Office 2010 が出たら一緒に Windows 7 の買い増ししよう。

さて、最初 VAIO type TZ はアップグレードインストールできる、楽勝じゃん、と思ったのだが、日本語版の Windows Vista に英語版の Windows 7 はアップグレードできないらしく、クリーンインストール(Windows 7 用語的にはカスタムインストール)することになる。この時点で VAIO type TZ サポートしてもらえなくなる。VAIO type TZ も、アップグレードインストールはサポート対象なのだが、クリーンインストールはサポート対象外、とのこと。まあ、日本語版 OS に英語版 OS をインストールする人は珍しい(というかほとんどの人はそもそも英語版 OS なんて持っていないだろう)から、サポートしてくれなくて当然ではある。

VAIO VGN-TZ91HS 的には C:\Program Files\Sony と C:\Windows\Drivers が重要なディレクトリのようだが、この2つがあれば基本的にはクリーンインストールしたあとドライバとユーティリティを書き戻せばいいだけである(流れに沿って Windows 7 をカスタムインストールしたら C:\Windows.old に全部の内容が保存されているはず)。一般ユーザ向けの VAIO はたくさんアプリケーションが入っている(のでアプリケーションもリカバーしたい人が多いのかもしれない)のだが、自分が頼んだのは法人向けビジネスモデルの VAIO なので、アプリケーションはほとんど入っていない。そもそもソニー製のアプリケーションなんてそんな要らないし……(こういうのって、Windows にデフォルトでついているアプリケーションで十分であることが多い。どうしてメーカーは独自の無線設定ツールとかそういうのをつけたがるのだろう。Windows 標準のでいいじゃん。ああ、消してすっきりした。)

書き戻す最中、ドライバは単にデバイスリストで「?」マークがついているものや、generic なドライバで動いてしまっているデバイスに元々 C:\Windows\Drivers にあったドライバを読ませればいいだけなのだが、どうもユーティリティソフトを書き戻す際のリカバリプログラムの挙動がおかしい(やけに一つ一つの動作が長く、かつ何回かクリックしないと終わらない)。調べてみると、Windows 7 Ultinamte は XP 互換モードで XP 専用プログラムを動かすようなのだが、この XP モードというのは Intel Virtualization Technology (VT) が有効になっていないと使えないモードのようで、リカバリ用の VAIO 専用ツールを動かすためには必要らしい。面倒……。ちなみに Windows 7 Home Premium では XP モードが使えないそうで、場合によるとアプリケーションによっては Windows 7 にしたら起動しないアプリケーションがある可能性がある、と。自分としては使うのはほぼ MS OfficeAcrobat やブラウザだけで、その分には XP モードは必要ないのだが、こういうユーティリティ類で使われていたら有効にせざるを得ない。

調べてみると、VAIO type TZ は元々 Intel VT を BIOS で無効にしてあって、なおかつ BIOS の Advanced メニューでも有効無効の操作ができないようにあえて殺してあるらしい。つまりこの VAIOWindows 7 は使うなということね……。

といわれて黙っているわけはなく、USB メモリから MS-DOS を起動して CMOS をいじって Intel VT を有効にする。FDD イメージなんか作ったの久しぶり。これくらい BIOS の更新で対処してくれればいいのに、どうやらこのモデル以降の VAIOWindows 7 用の BIOS が用意されているのだが、このモデルはサポートする気がないらしい。まあ、ソニーがサポートする気がないのは今に始まったことではないようだが……。Intel VT がデフォルトで無効になっていること自体はセキュリティ的に間違ってはいないと思うのだが、わざわざ設定項目を BIOS Setup から潰して設定不可能にすることはないんじゃなかろうか。

結局ほとんどのドライバとユーティリティはリカバリできたのだが、前面の AV ボタンと Fn キーを使った輝度調整ができない。VAIO Event Service というのを起動すればいいらしいのだが、見てみたら起動しているし、エラーも出ていない。VAIO Event Service だけ再起動しても同じ。.NET Framework を入れたらいいとか、VAIO Event Service を一度アンインストールしてから再度入れればいいとかいろいろ書いてあるのだが、どれが真実か分からない。輝度はコントロールパネルから変更できるし、CD/DVD は前面からではなく側面のイジェクトボタンから出せるから、もうこれでいいかなぁー。というか、もうこれでいいだろう。

Windows 7 自体はこれまで VMware FusionMac から使っていたのだが、実機にインストールしたのはこれが初めてで、どんなものかと思っていたのだが、非常に快適。「さくさく動く」という表現がぴったりである。

VMware Fusion 3

VMware Fusion 3

同じスペックで Vista Ultimate で使うのと比べると段違いの快適さ。XP より軽いという噂は伊達じゃない。もうみんな XP ダウングレードなんて後ろ向きなことしていないで、みんな Windows 7 にすればいいんじゃないかと思ったくらい。Vista だとよくマウスカーソルがぐるぐる回っていたのだが、Windows 7 ではすぐアプリケーションが反応する印象(実際はあまり時間変わらないのかもしれないけど)。自分は世間とは違って Vista でも全然問題ないじゃん、などとすかしていたのだが、こんなに使いやすいと Vista を使っているのが馬鹿らしい。少しくらいドライバが動かなくてもいい人は、多少お金を払っても Windows 7 にアップグレードする価値はあると思う(あと1年もすればどんどんこなれてくるのだろうと思うが)。IE 8 も (Vista で動かすのと比べて)ものすごく速い。Norton 後ろで動いているのに全然遅くならないというのが感激する。すばらしい。あと、再起動するとき、どのプログラムが開いているから再起動できない、というのを表示してくれたり、ぐちゃぐちゃになりがちなタスクトレイをすっきりまとめられたり、デバイスの表示が見やすくかっこよくなっていたりと、細かいところの作り込みがさすがである。やっぱり Vista は「要らない子」だったんだろうか……。

Office 2003/2007 のインストールには少し手間取った(SSD なので読み込みは異常に速いのだが、書き込みは遅い)が、Office も復旧。Office 2010 β版を入れると MS-IME 2010 が入るそうなので、ちょっと入れてみたい気もしているのだが、はてさてどうしたものか。でもやっぱり評価用には1台あると便利なんだよね。しばらく MS-IME 2010 で生活してみようかな。Office 2010 ベータ版入手はこちら