鳴門

祖父の見舞いに鳴門まで。

研究室で朝カラープリンタ使おうと思ったら使えず、焦る。結局取るものもとりあえず慌ただしく北生駒駅に向かう。計ってみたら研究室から改札まで歩いて20分かからなかった。走ったらもっと早く着くのか。思ったより近い。これで京都側までこの電車が通じてくれればいいのに。

大阪から鳴門まではバスでちょうど2時間ぴったりの予定だったが、ゴールデンウィークのためか渋滞しており、経路も変更されて1時間の遅れで到着。一定の速度で走ってくれればいいのだが、スピードを上げたり止まったりですっかり気持ち悪くなる。

鳴門には先に実家から父と弟2人が到着しており(元々兄も来る予定だったが、直前に38.5度の熱を出したので来られなくなったらしい)、合流。病室には祖父とその看病をしている母たち姉弟3人がいたので、10分だけ時間をもらって、一人一人話す。意識は日によってあったりなかったりするらしいが、今日はある程度話ができるくらいにはあるようで、気道を切開しているので声は出せないが、唇を見て「ま」「も」「る」、「あ」「り」「が」「と」「う」と言っているのは分かった。お礼を言うのはこっちだよ、じいちゃん。

読めるかどうか分からなかったが、3月に言語処理学会に出した論文を渡したら、老眼鏡を取り出して少し読んでくれて嬉しかった。先月博士後期課程に進学することにしたという絵はがきを出したのだが、届いてからしばらく握りしめたまま離さなかったらしい。大学に行くときは「そんないつまでも勉強してどうするんじゃ、はよ働かせ」と言っていたようだが、好きなことができるうちは好きなことやっていようと思う。

小学校しか出られなかったけど勉強が大好きだった祖父や、高層建築の勉強のために東京に来たのに肌が合わず、転職したかったけど家族のために仕事を辞めなかった父を思うと、いまは着るものも食べるものも住むところも文句言わなければ好きなだけ勉強ができる自分は恵まれている。

鳴門はいとこたちが最近まで住んでいて、一番年上からヒロミ、ジュン(兄)、ヨシミ、マモル(自分)の順番で男4人いとこ同士1歳違いの年子になっているのだが、最近はこの中で誰が一番先に結婚するか話題になっているらしい。誰もしなさそうだけど……。今度鳴門に来るときは、いとこの結婚式で来たいな、と思った。