ようやく終わりが近づいた……のだろうか。
ほとんどのバグは UTF-8 化したことによるもので、特に4月に入ってから今日(18日)までにいじっていたものはこれ以外ないと言っても過言ではないくらい全員苦しめられているのだが、今日も例に洩れず(リリース直前だというのに)バグがいくつも見つかる。ほとんどは shinra くんががしがしソースを見て直していってくれるのだが、shinra くんの手許で再現しないバグ(彼は彼で手を入れまくった環境を使っているので問題の発覚が遅れることもしばしば)は他の人員で直したりする。
今日は午後6時には終わっていないといけなかったのだが、午後6時段階でCD イメージが fix されていないといけないにもかかわらず、重篤なバグが取れていなかったのでフリーズできず、右往左往していた。
結局23時過ぎに shinra くんが最後のバグ、yc が UTF-8 環境だとうまく動かないというものを直し、23:20あたりから iMac 600台を使って CD-R700枚を並行で焼くという、おそらくこんな環境でもないとやらないであろう前代未聞の作業に取り掛かる。
ファイルサーバからの転送が遅いだろうか、などという声も実行前には出ていたが、実際やってみると全く問題にはならず、むしろ人間が CD-Rを出し入れしたりキーボードを叩いたりする時間のほうがはるかにかかり、CD-R の回収も含めて30分で終了。始球式ならぬ始burn式(焼いた4人でいっしょに最初の CD-R を焼くコマンドのリターンキーを押す)なんてやっていた割にはあっさり終わる。1人あたり150枚を30分のうちに焼いたわけで、iMac 速いなあ、というのがみんなの感想。しかし焼いている最中は部屋がものすごく暑かった。真夜中(でかつ冷房も利いている)なのに……
終電の関係で先に帰った wm3 を除き、全員で袋詰めも済まし、あとは明日のリリースを待つのみ。長かった……。
okayama くんの日記にFink 班の面々の紹介
などがあったりする(hiro くんと hicky くんと masa くんがない?)ので、自分もお礼がてら書いてみる。
shinra くん。最初は(自分がメンテナンスしている) canna パッケージですらasari くん担当だったのに、「Canna のパッケージを自分がやらないでいったい誰がやるんですか」という熱意のこもった宣言に感動したよ。引き受けたが最後、最終的には Fink 班になくてはならない技術担当者になってもらい、とても助かった。どうもありがとう。きみがいなければきっとものすごく早い段階で ECCS 環境の UTF-8 化は諦められていたことであろう(いまでもラッパーの嵐なんだけど)。この Fink で懲りたのか今学期は相談員やらない、と言っていたけれど、ぜひ巡回連絡員にでもなって働いたぶん受け取ってください……。
asari くん。プロジェクト発足時数少ない Mac ユーザであり、Fink 班の立ち上げにも初期には非常にアクティブに活動してくれ、現在 seriとして知られる Fink 班のサーバ管理者にもなってくれてありがとう。きみがいなければ Fink 班の開発(cvs+rsync)も頓挫していたよ。しかしながら、パッケージ作成がもっとも忙しくなった2週間、きみはアジア諸国の旅に出かけてしまい、帰ってきて必死に作業していたhiro くんと okayama くんにねぎらいの言葉ではなく「なんで全然パッケージを本家に持っていかないんですか!(ぷちキレ)」という言葉を浴びせ、okayama くんが Fink 班から姿を消してしまったときはどうしようかと思ったよ。そんなこともあったけど、本家に成果を還元していこうという気持ちがいちばん強いのはきみなので、今後ともがんばってください。
okayama くん。3月中自分はずっと別のバイトでおらず、3月10日にフリーになると言いながら結局解放されたのが3月28日だったので、自分がやるべきだったパッケージのほとんどをやってくれてありがとう。きみがいなければ ECCS の Emacs 環境はこんな完成度になることはなかったよ。次から次に来る要求に黙って finkinfo で応えるきみの姿を見て、きっと Fink 班の誰もがある2文字を思い浮かべていたことだと思う。え? なんの2文字かって? そりゃもちろん忍耐だよ。3年の春休み、精も根も Fink に捧げたきみの人生がいつか報われることを願うよ。
hiro くん。okayama くんと並んで Fink 班のパッケージ作成の中心人物となり、切り込み隊長となってくれたきみに感謝するよ。ぼくが何度も「Fink ださい」「finkinfo 使えねー」と不平を言う横で黙々とラッパーを作成していたことはずっと忘れないよ。4月からも Fink の作業のために4年生の研究室の実験を駒場で過ごすことに決め、生まれて初めての定期まで手にして駒場に足繁く通ってパッケージのバグを潰す姿、情報処理 Navigator 第6版の前書きにも書いてあるけれど、自ら進んで裏方に徹する姿勢がかっこよかった。今回の CD も含めて、今後もずっといい仕事をすると期待しているよ。
nodakai くん。1年生ながら Fink 班に参加してくれ、根っからのドキュメントマニアの血を遺憾なく発揮して、Fink パッケージの作成方法の翻訳やパッケージの作り方のドキュメントを進んでやってくれてありがとう。Fink も若いプロジェクトで発展が速いのだけど、ひとまずまとまったドキュメント(翻訳)ができ、本家にもコミットされて参照できるようになったのはとても大きな功績だったよ。今後 Fink 班の作業を手伝うつもりはないそうだけど、オープンソース好きなきみのことならどこに行っても重宝されると思うよ。
wm3。asari くんと並んで Mac を前から使っていて、いろいろと Mac のMac 的な使い方を教えてくれてありがとう。特に今回の CD に収録したパッケージのインストーラ、これがあるおかげで CD の完成度が一気に増したよ。こんなものをすぐに作ってくれるのは、やっぱり付け焼き刃的にMac ユーザになった自分からすると、すごいなあ、と驚いていたよ。最後の1週間はディスクイメージを作ってはパッケージの差し替え、さらに CD-R に焼いては作り直し、という精神的に負担の大きい作業をしてもらって、申し訳ない。他のみんなあまり CD-R のインストールテストをしなかったのに、率先してテストをして多大なバグを発見してくれたので、きみがいなかったら名実ともにこの CD は完成しなかったよ。最後までどうもありがとう。
そして masa くん。突然情報処理 Navigator に CD-R を添付するという話を振ったのに、生協との交渉に始まって日程の調整や収録方法の吟味をしてもらい、そして睡眠時間を文字どおり削ってまでインストールドキュメントを書いてくれ、非常に感謝しているよ。当初ネットワークインストールしかサポートしないと言っていた Fink 班だけど、CD-Rに焼いて収録するという目標を設定してくれたおかげで、みんなゴールに向かって一致団結して走り抜けることができたよ。Fink 班のみんなは、いま CD-R に含めたパッケージ集を ECCS の iMac にも反映させ、本家に還流していくという作業は残っているけど、とりあえず仕事が一段落したからぐっすり眠っているころ、masa くんはまだ月曜日の午前中に人手で情報処理 Navigator に CD を添付していくという作業が残っていて、まだ大変だろうと思うけど、最後までやりきろう。
その他 Fink 班ではないけれど、迷惑をかけてしまったりした人たち、陰に日向にぼくたちを励ましたり支えてくれたりした人たちに、感謝の言葉は尽きないし、名前を挙げて洩れるとかえって失礼なのでここでは挙げないけれど、どうもありがとう。
ただどうしても1人だけ、ktanaka 先生には分けてお礼の言葉を。3月4月、土日を除いてほぼ毎日終電近くまで研究室に残るぼくたちにつき合ってくださって、時には助言をくださったり、時には作業を温かく見守ってくださったり、Fink 班の面々がこの春にした経験は、去年の12月の頭に ktanaka 先生が相談員に新システムのパッケージ作成をやってみないか、と声をかけてくださらなかったら、体験できなかったものでした。奇しくも asari くんが CD をみんなで焼いているとき「なんか高校の文化祭みたいだ」と言っていましたが、ぼくは大学に入ってからこういうようにみんなで集まってなにかを作る、という機会がなかったので、大学最後にこんなふうな時間をみんなと過ごせたのはとても嬉しかったです。どうもありがとうございました。
当分の間 Fink 班が ECCS の iMac に入るパッケージのメンテナンスをすることと思いますが、今後ともよろしくお願いします。