適性があるかどうかは分からない

吉祥寺から京王線経由でデンソー IT ラボラトリへ。データ構造と情報検索と言語処理勉強会 #DSIRNLP 07 への参加である。

休日・祝日のイベントは家族会議で審議されるので、否決されることもあるのだが、今回は午後からのイベントでもあり、参加の承認が下りたのであった(ただし、懇親会は参加せず)。

前回の DSIRNLP 勉強会に参加したときも研究室から4人が参加してくれたが、今回も3人が参加してくれ、うち2人は発表してくれた(1人は通常の発表、もう1人はライトニングトーク)ので、嬉しいことである。学生数的にはコンスタントに4-6人が参加する(2人くらいが発表?)くらいがちょうどいい気がしている。枠が狭い(今回は60人)ので、大量に押しかけるとうちの学生ばかりになってしまうし……。

今回お聞きした内容は内容的にはだいたいどこかでお聞きしていたが、[twitter:@klmquasi] さんに、自然言語処理関係の研究室を出ていない人を修士で採用して、自然言語処理を生業にしている会社で5年10年と鍛えれば自然言語処理の開発ができるようになるか、という質問をしたところ、なにもやっていない人だと正直厳しいということと、経験上言語に対する直観は伸びないので、できる人はできるしできない人はできない、という答えをいただき、至極同感。適性のある人を訓練してなんぼ、というところでもあるし、適性のない人もいるので、こればかりはどうしようもない。

学生に話すときも特に注意して話すのだが、言語に対する適性は知性とは別のなにか特殊な性質のようなものなので、そういう感覚があるから優れているということも、ないからといって劣っているということもない、と思うし、「電脳日本語論」にも入社した社員たち全員にとりあえずアノテーションをさせて、適性のある人をアノテーションに回す、というような話が書かれていて、なるほど確かにそれは合理的、と思ったものである。

電脳日本語論

電脳日本語論

うちの研究室も、自然言語処理の研究をしている数少ない研究室として、大学院を出る人は一通り自然言語処理の開発ができるような実力をつけて卒業してもらいたいと思っているので、需要がどれくらいあるかは分からないが、関係各所で活躍する人材をコンスタントに輩出できればと考えている。

休み時間に隣の人とお話しすると、こういう勉強会に来るのは初めてだが、業務で自然言語のデータを使うようになったので興味があって聞きにきた、というお話。やはり形態素解析レイヤーの話だと、仕事に関する知識として勉強に来たい、という人がそれなりにいるのであろう。それより上のレイヤーの話だと、仕事に直接関係するとは限らないので(というかほとんどの場合関係しないので)、自然言語処理が好きな人でないと聞きにこないのだろうな……。

今回は懇親会には参加できなかったが、毎回ながら [twitter:@overlast] さんがちゃんとオーガナイズしてくださって(今回はトークもしてくださって)、ありがたいことである。完全なる内輪の会にせず、かといって名も知らない人が聞きにくるだけ来て懇親会にも出ず去ってしまうというのも回避しつつ、という微妙なさじ加減が大変だと思うが、うちの学生も参加をお勧めできる勉強会なので、ぜひ今後とも続けていってほしいものである。