工学系の学部生は朝から晩まで忙しい

朝、出勤して日本語書き言葉コーパス (BCCWJ) 関係のミーティング。Windows で Tagrin (Tcl/Tk で書かれたタグ付けツール) を動かせる環境を用意しないといけないので、最初 VMware の仮想環境ごと渡せばよいかと思ったが、数十GBのコピーにけっこう時間がかかったので断念し、リモートデスクトップで接続してもらうことに。実体は教員室、クライアントは学生室で、学内のネットワークなのでそこまで遅くはないが、ちょっともたつくところがあり、最終的に Mac mini ごと学生室に持ってくることに……。まあ、物理的に近いからこそできることで、やっぱり直接やりとりできるのは開発効率が段違いである。

午後、東工大の院試が近づいているようで、一緒に問題を解いたりする。けっこう問題を解くのも勉強になって楽しい。そして、うちのコースの学生が何を学んでいて何を学んでいないのか、段々分かってくる。院試はトリッキーな問題は出ないので、普通に勉強していれば解けるようにできているし、学部2年が終わった段階、あるいは学部3年の前期が終わった段階で、東工大の院試は解けるくらいのカリキュラムにしておいたほうがいいんだろうな。(外部の入試を受ける人が増えて学生が流出するかもしれないが、それ以上に外部から首都大を受ける人が増えれば問題ない)

うちのコース (首都大・システムデザイン学部・情報通信システムコース) に情報系の授業を期待して入ってくる学生がちょっとかわいそうなのは、カリキュラム的にカバーされていない単元がまだそれなりにあることで、能力はみんなあるのに習っていないというだけで外部の院試を受けたりするのが不利になる、ということである (もっとも、情報系の大学院に進学するつもりなら、独学でもいいから知っとけよ、ということなんだろうけど)。これはある程度仕方なく、コース自身が「情報通信」なので、通信系の授業も履修せねばならず、その分情報系の科目を入れる時間がないせいであるのだが……(朝から晩まで授業でびっちりで、これ以上3年生の前期以前に授業を増やす時間がないらしい)。

今後2年間で自分も毎年1科目ずつ増やしていくことが期待されている (教授と准教授が担当するべき授業数、学部は年間3.5コマ、大学院は1コマらしいが、今年は1年目なのでそれぞれ1.5コマ、1コマだけに減らしてくれた) ようなので、2015年4月以降に入学する学生たちは恐らくこれらの問題は解消されているのだろうけど、研究室で「今後こういう授業をやるつもり」と言うたび、研究室のB4の学生たちから「うらやましい、自分たちも受けたかった」と言われるのが、嬉しいけどちょっと心苦しい。過渡期なので、タイミングの問題ではあるが……。