奈良にいると分かる電子書籍の便利さ

@tettsyun くんとバージョン管理システムの話になったので、思い立って古いプログラムやらデータやらの整理。基本的にデータはリポジトリにコミットせず、ソースだけコミットするようにしていたのだが、ストレージの容量も大規模化し、ネットワークも高速になっている昨今、数十 MB 以下のデータはコミットしてどこからでもアクセスできるようにしておいたほうが嬉しいメリットが勝るので、コミットしまくっておいた。

あと論文等の PDF も、以前は LaTeX のソースや図の生成に必要なスクリプトだけをコミットし、毎回 make と叩いたら生成できるようにしてあったのだが、論文を作成した環境と違う環境でコンパイルしなければならないことが当たり前になってきて、ちゃんと生成されないことのほうが多くなってきているので、画像も作成した PDF も一緒にコミットするようにしている。こうすれば、少なくとも1つのファイルは正しく表示できることが保証されるし、一度壊れたファイルで上書きしてしまってもすぐ復元できるので……。これも、バイナリファイルをコミットすると巨大になるのでこれまで避けていたが、さすがに10年前とは状況がすっかり変わってしまった。メールにもばんばん添付ファイルくっつけて送るようになっているしなぁ (そのほうがどこからでも参照でき、簡易にバックアップできるのでよい。最低ローカルに1つコピーがあり、メールサーバ上にも検索すればコピーが見つかるので)。

整理している段階で、昔書いたプログラムやデータ等々を見ていて、なんだか研究したくなってくる。研究というか、データを見ながらプログラムを書いて、うまく行かないところを試行錯誤してなんとか先に進んでいく、そういうのが自分は好きなようで、必ずしも自分で手を動かすことのプライオリティは高くないと思っていたのだけど、土曜日 東京自然言語処理勉強会 に参加したりして、こうやってプログラムを見たりするとテンション上がるのは、やっぱり時間があったら自分もやりたいという気持ちがあるのだなと思う。自分「で」やりたいとは思わないところ、「あー、自分がやったらもっと速くうまくできるのに!」などといったもやもや感とは全く無縁なので、ストレスは溜まっていないが (笑) 他の人が楽しそうにやるのを見ると、自分もなにかやりたくなる、そういう感じ :)

夜、銭湯に行くついでに「ちはやふる」と「君に届け」の最新刊を購入。読んでいる人も多いし、このあたりは定番におもしろい。最近読んでおもしろかったのは (すでに完結しているが) 「娚の一生

娚の一生 1 (フラワーコミックスアルファ)

娚の一生 1 (フラワーコミックスアルファ)

という漫画 (全3巻)。理工系の女性 (35) と女子大の哲学の教授 (51) が恋に落ちるという話で、いろいろとリアリティないあたりも含めてけっこう好き。哲学も理工系も両方気持ち分かるので「ああ、こんな人いるいる」と思うからからもしれないが……。ただ細部が気になる人はとても気になると思うので、読む人を選ぶだろう。Amazon の評価でも真っ二つだしな〜。ebookjapan から立ち読みできるので、この設定に興味がある人は立ち読みされたし (笑)

NAIST に来る前は、総合大学ではないので大きな図書館がないことをかなり気にしたし (人文系出身なもので、アクセスできる本の多さが研究の質にクリティカルに効いてくると思っていた)、近くに本屋がないことも心配したものだが、買いたいような本は Amazon で注文すれば手に入るし、最近は一般書や小説・エッセイの類は大学の図書館にお願いして買ってもらう (数十冊は頼んでいると思うが、今のところ断られたことはない) ので買って読んだものが部屋の本棚をどんどん占拠するということもないので、思ったほど困っていないというのが現状。

NAIST に来てから Amazon が便利だと気がついた人は少なくないだろうが (翌日か翌々日には届くし)、最近自分は漫画や小説も電子書籍でけっこう買って読むし、値段が新刊で買うのとほぼ同額かかるということ以外は大変満足している。翌日に届くのですら、クレジットカードで支払いをしてから十数秒でダウンロードして読むのと比べるとタイムラグがあるし、やはり物理的にスペースを取るのがなんとも……(特に漫画はかさばるし、どうせ古本屋に売りに行っても二束三文だし)。ダウンロードに必要な通信料は購入者が負担しているのだし、送料分くらいは物理的な本を買うのより割り引いてくれてもいいのになぁ。Amazon で漫画を買ったら負けだと思い、これまで漫画だけはリアル書店で買っていたのだが、電子書籍で漫画をダウンロード購入するようになって、あっさり電子書籍の軍門に下ってしまった。

あと青空文庫i文庫HDを使って iPad で読んでいて、これはグッドデザイン賞を取るだけのことはあり、非常に読んでいて気持ちいい。ちゃんとページをめくる感覚があるのがいい。いや、ページのどの部分をつまんでもページがめくれるというのはある意味紙の本とか違う感覚なのだが、これは800円払う価値のあるアプリだと思う (というか、いまどき革製・布製のブックカバー買ったりしたら800円は下らないし、ブックカバーは割合すぐだめになるので、こっちのほうが満足感高いような……)。