仕事をする環境と子育てをする環境

国際会議最終原稿の最終チェック。今回の版が一生残る原稿になると思うと神経を使うが、すでにアクセプトをもらっているという意味では気楽なものである。今回は最終的に6本の論文 (うち2本は short paper) を見ることになったが、どの論文も (0th draft が完成した段階でストーリー的に修正不可能であった点を除けば) 書きたいことは書けたと思うので、けっこう満足。初めての経験だらけで、いろいろと勉強になった。

やっぱり最低10往復くらいしないと細部が洗練されるところまで行かないのかなぁと思う (数えてみたら、最終原稿までの通算の添削が20往復近くした論文もあった。平均14回くらい)。松本研は院生が多い多いとは言うが、ここまで一人一人 (一本一本の仕事) に時間をかけられるのは国立の研究大学の大学院だからだろうなとも思うし、どういう環境で自分はどういう仕事をしたいのか、ということについてここ2ヶ月ほどいろいろと考えた。

考えてみると、階層構造 (教員が研究員を監督し、研究員が博士後期課程の学生を指導し、博士後期課程の学生が博士前期課程の学生の面倒を見て、博士前期課程の学生が学部生の相手をする、みたいな) を作らずに、フラットな感じで面倒を見きれる人数はスタッフ1人につき多くて10人が限度だろう。10人でもたぶん厳しくて、テーマごとにグループでまとまってもらうなどしないと、とても無理だと思う。

最近思うのは、面倒を見る学生が2人増えるより、追いかけなければならないテーマが1つ増えるほうが大変なんだなぁ、ということ。自分自身あれやれこれやれ言われるのは嫌なので、学生の人たちには好きにやってもらいたいと思うのだが、現実的にそれまでやった人がいない新しいテーマをやるというのはけっこうしんどい。松本先生ほどになると、過去の蓄積があるのであらゆるテーマに対応できるのだろうが、こういうとき自分の研究テーマに対する懐の狭さを痛感する。もっと自分も勉強して経験を積まないとないとなぁ。

あと、最近妻と自分の職場がどれくらい離れていても OK かということもときどき考えるのだが、同居するならお互いの職場が2時間離れているくらいが我々としては限界だと思う。お互いの職場の中間のどこかに住むとして、子どもになにかあったときお互いのどちらかが戻る時間を考えると、子どもが小さいうちは、片方が1時間半以上かかる通勤は無理だろうなぁ、と。子育てを考えるとこのままずっと奈良にいるのがベストだよなぁ〜