例外が見つかると興奮するのが研究者

日曜日に引いた風邪がまだ治らない。喉の奥が全体的に炎症を起こしている感じなのだが、抗生剤を飲んでも腫れが取れない。とにかく喉が乾燥するといけないようなので、水分補給をこまめにすることと、寝るときマスクをすることかな……(最近は直接扇風機に当たると喉を痛めることを学んだので、起きていて扇風機に当たるときもマスクをしているが)。

昼から甲南大学の永田さんが来訪。今日は主に NAIST の M1 の学生向けに計算機が英語の誤りを検出できるようになるまでというテーマで、今年の年度が変わるくらいのときからトークをお願いしていたので、実現して感激。

永田さんは@tomo_wbくんの学部時代の師匠なわけだが、やはり日本で言語教育・言語学習に自然言語処理を用いる、という研究分野の研究者は少ない (片手で数えるほどしかいない) ということ。世界的には英語教育・英語学習があるので、研究者はたくさんいるそうだが……

講演は、自分の研究内容だけ話しておしまい、という形ではなく、永田さんが学部のころからどういうふうに研究してきたか (最初は研究者になるつもりも大学院に進学するつもりもなかったそうだ)、という「自分史」をお話してくれて、その中に英語の誤り検出の研究があって、素敵だなぁと思う。

永田さんもトークの中で「自分の中にある疑問を大切に」「問題をずっと考え続け、データをひたすら見ていると見えてくるものがある」という話をされていて、自分と同じ考え方だな〜と嬉しくなる。質疑の中でも「データに圧倒されずに丁寧に見ていくことが大事。例外が見つかると興奮する、そういう感覚が研究につながる」という返答をされていて、やはり言語 LOVE というのは自然言語処理の研究をするには重要な資質なのだと思う (笑)

永田さんが紹介された論文は

であるが、これ自分も初めて読んだとき「こういうふうに論文を書くのか」と目が見開かれたので (自分の博士論文の研究テーマも元を辿ればここに行き着く)、自然言語処理分野の学生でまだ読んだことのない人は、ぜひ読んでみるとよい。(タイトルも、1995年の論文には思えないくらい今風のタイトルで、読んでみると多少「釣り」のタイトルかなと思ったりもするが、釣られて読むのでもよいと思う (笑))

@neubig さんが1990年から2009年までの間に ACL で発表された論文のうち、最も引用数が多かったものを年別に列挙してくれているが、95年はこの論文がトップ。それくらい影響力のあった論文であり、古典として読むべき論文の一つである。

質疑応答の時間も30分ほど取ってもらい、ほとんど松本研の関係者だけだったような気がするが、いろいろと答えにくい質問にも真摯に答えてくださってありがたい。

今後とも関西の(≒日本の?)言語学習・言語教育と自然言語処理の研究を盛り上げていきましょう〜