個人事業主としての大学教員

論文の添削、というか返信文の添削。

論文誌(ジャーナル)に自分の論文を投稿した場合、査読者が論文を読んでコメントをつけ、メタ査読者(編集委員)がコメントとともに「採録・条件付き採録(照会後掲載)・照会後判定(再査読)・不採録」などの評価とともに送り返してくるのだが、「条件付き採録」あるいは「照会後判定」の場合はコメントで書かれた内容に対して返事を書かないといけない(かつ本文もコメントに従って修正しなければならない)ので、これも論文誌に論文を投稿する重要な作法なのである。

条件付き採録と照会後判定の違いは、前者が「ここをクリアにすれば基本的に採録」という条件が明示されるのに対し、後者はコメントに従って書き直しても採録が保証されていない (単にもう一度査読をやるだけ。再査読は最大1回、という制限がある場合も)、というところが違う。まあ、少なくとも情報系では特集号など特殊な場合でなければ一発採録はないと思うので、いずれにせよコメントをもらってそれに真摯に対応する、ということが大事。

また、情報系の場合、難関国際会議に採録される、ということも高く評価されるのだが、まだまだたくさんの分野では国際会議で研究発表するのは海外に行くお遊びだと思われる分野もあるし、情報系でもやはり論文誌に採録されて一仕事終了、という感じ。

それで、返信文をどう書くかもお作法があり (恐らくこれも分野によって違うのかもしれないが)、自分は色んな人たちに少しずつ教えてもらったが、こういうの、周囲に教えてくれる人がいなかったらどうするのだろう、と思ったりする。

大学教員は教授を社長とする中小企業のようなもの、という話はときどき聞くが、確かに研究費(運転資金)をやりくりして研究室を運営するというのは社長のようなものなのかも。

青色申告について、さらに

フリーランス&個人事業主のための「確定申告」 改訂第5版

フリーランス&個人事業主のための「確定申告」 改訂第5版

を本屋で購入して読んでみた。青色申告(白色申告)と確定申告の違いは分かってきたが、前紹介した本(紹介と照会を同一記事で使い分けるとこんがらかる(笑))のほうが何回も読もうという気になるな〜。

結局、個人事業主としては、届け出なくても白色申告として確定申告することができ、その場合は給与の他に「事業所得」として計上すればよい、ということか (そのぶん青色申告として利用できる優遇制度が使えないけど)。これまで自分は原稿料とか講演料は「雑所得」で計上していたが、継続的かつそれなりの収入がある場合は「事業所得」にすることもできる、と。

ちなみに今日納税通知書が来ていて、H22年度は確定申告の結果78,700円追加で税金を納付した (自分の所得税の税率は20%なのだが、講演料などで10%が源泉徴収されていたりしたので、少なく納めていた)。手間を考えると少しくらい税金が多くても白色申告でいいような気もする……