書きたいことを書く方法

久しぶりに漫画の紹介でも。

しゃにむにGO」が終わってから毎巻楽しみだった作品が一つ終わって寂しい気持ちになったものだが、羅川 真里茂も仕切り直し、短編やら新シリーズやらに取り組んでいる。そのうち、短編集の「朝がまたくるから」

朝がまたくるから (花とゆめCOMICSスペシャル)

朝がまたくるから (花とゆめCOMICSスペシャル)

が秀逸。収められている作品も、少年犯罪の加害者の話、年の差恋愛の話、児童虐待の話の3作品。羅川 真里茂といえば同性愛者を取り巻く苦悩を描いた「ニューヨーク・ニューヨーク」もすごい作品だと思ったが、こういうひとびとの心の奥底に溜まっている澱のようなものを、声高に叫ぶでもなく、淡々と日常生活の中に溶け込ませて見せる、というのはすごい。(Amazon のリビューもいろんな角度から絶賛だが、納得) 

伝えたいことがあったら、正面切って激しい調子で書くだけが方法ではなくて、じわじわと沁み入るように書くという方法もある。自分も大学の日常生活に織り交ぜて研究の話を書いてみたり本の紹介をしてみたりするのだが、論文でも本でもない日記なので、あえて冒頭に研究室での一こまを入れてみたり、結論を書かずに終えてみたり、いろいろ試している。

先日自分の日記へのはてなブックマークのコメントで

ものすごく「そんなのどうでもいいじゃん」感の漂う文章。悩んでる暇あったらメシ食ってウンコして寝ろ、みたいな。

というのがあって、10秒くらいムッとしたのだが (さすがにそこまで人間できてませんので……)、確かに自分の日記は「そんなのどうでもいいじゃん」ということの合間合間に社会的なネタを入れたりするスタイルで通しているわけで、そうか、書き方は直接面識なかったらこういう書き方になることもあるだろうし、書かれていな「どうでもいいじゃん」という内容は正しいな、と思ってこういう書き込みについて悩まないことにした (ちなみに、該当する日記では自分は何も悩んでいないので、違う日記に対するコメントかもしれないが……)。一喜一憂しないスルー力も大事だな〜

あと断続的に長期連載している

いつでもお天気気分 4 (花とゆめCOMICS)

いつでもお天気気分 4 (花とゆめCOMICS)

も、(新しい巻が出るのが数年単位なので内容忘れてしまったりするが) おもしろい。「しゃにむに GO」とか「赤ちゃんと僕」のような学園系で、これはこれでお家芸的な安定感がある。

しゃにむにGO」のような一芸を極めるという話も羅川 真里茂の得意とするところだが、最近月刊マガジンで連載を始めたという

ましろのおと(1) (講談社コミックス月刊マガジン)

ましろのおと(1) (講談社コミックス月刊マガジン)

も続きが楽しみである。高校生が津軽三味線をする、という話。1巻を見るとまだエンジンかかっていないような感じだが、4巻くらいまで出たら盛り上がってくるのではないかな。