入学と卒業のタイミングと就職活動

午前中は NTT コミュニケーション科学基礎研究所の永田さんのところに @seijik42 くんと遊びに行く。やっぱり世の中にはいろんなタスクやデータがあるんだなー。NTT 研究所は割とインターンシップがしやすいようなのだが、修士から NAIST に入学する人はだいたい分野を変えて入学してくる人で、夏のインターンシップ募集の時期にはまだ自然言語処理でやりたいことがよく定まっていなくて、それで時期を逃す、ということがありがちな気がする(自分のことを思い起こしても)。

入学したら(もしくは入学する前からでも)一度研究室に来て(どういう研究がしたい、という話を)コンタクトしてもらえると少し準備できるのだけど、4月末の新入生歓迎会ごろようやく顔と名前が一致して、6-7月になってどんな研究したいかが(週1の定例研究会で)分かるというサイクルだと、なかなか適切な場所をお勧めしづらいのである。

来年は自分もちょっと気をつけよう。

夕方は昨日に引き続き kmurakami さんと jordi-p さんの送別会(今度は研究室全体で)。大学院前のバス停から奈良交通バスに乗り、みんなで近鉄学園前駅へ。今日の送別会は鳥鳥(とっと)学園前店。鳥づくしで鳥好きな自分はよかったのだが、ベジタリアンメニューがなかったのがちょっとかわいそうだったかな? (日本では仕方ない面もあるが……) あと鳥の生ハムですと言われて食べてみたのだが、味はハムでも触感は刺身に近く、鳥の刺身で2年前ひどい目に遭った自分としてはたくさん食べる気分にはならず、M1 の方々に召し上がっていただく。どうも前回は食べてから4日経ってから発症したようなので、今日なにもないからといって油断はできない……(ハムだったら加熱してカンピロバクターは死滅するのだろうけど、生ハムはどうなんだろう?)。

jordi-p さんもマルチタレントな人だと思うが、スペインにいるとき自分でベンチャー起業していたというのは知らなかった(社会人経験があるということは知っていたのだが)。LinkedIn を見るといろいろやっていることが分かる。自分も LinkedIn のアカウントを持っているが、昔からの知り合いがいまどこでなにをしているのか分かるというのは(コネ重要なアメリカでは特に)便利なんだろうな〜。日本でもこういうサービスの需要はあると思うのだが、そこまで転職が盛んではないので、同窓会的にしか使われないだろうし、Mixi 同窓会で十分、ということになるのだろうか。jordi-p さんも日本で働きたいようだが、いい就職先が見つかるとよいのだけど。一端9月に帰国しなければならない、というのが就職活動のネックなのだが、自分もそんなに就職活動したわけではないので、いつ応募していつ面接を受けるのが会社の人からすると都合がよいのかあまりよく分からず、適切なアドバイスもできず……悩ましい。

これは留学生に限ったことではないのだが、大学院まで来ると、受け入れる教員の側も「この学生を受け入れて在学中大丈夫か、卒業したあとに仕事があるか、責任を持って世話できるか」ということを意識するもののようだ。たとえば国費留学生だったら在学中のお金の心配はしなくていいのでよいのだが(一昨年くらいから在学中の成績が一定以下だと奨学金打ち切りになるよう方針が変更されたようで、留学生が相手でもシビアにつける NAIST の留学生はちょっと困ったことになっている、という問題はある)、私費留学生だと、学費を稼ぐためのアルバイトばかりに精を出されても困るので、研究室内のリサーチアシスタントをつけて補助することになるのだが、人数が多すぎると全員に RA は出せないので、誰も彼も受け入れるわけにはいかないのである。

国費留学生にも問題がないわけではなく、文科省の奨学生に内々定した人も、実際日本に来るためにはどこかの大学の研究室から推薦状(受け入れますよ、という確約書)を発行してもらって提出しないといけないようなのだが、推薦状を発行したにも関わらず来ない学生がいたりするようで、来るつもりで準備しているのに連絡が途絶えて困ったりすることもあるみたいである。とはいえ、これも留学生に限ったことではなく、日本人学生でも受かっておいて連絡しない人もいるし……。

かくいう自分も常識がなく、 卒業論文を書いていたせいもあるが、入学する直前の1月か2月くらいまで松本先生に連絡せず、アルバイト先の国語研の前川さん(現在日本語コーパスでもお世話になっている)から「松本先生に会ったけど、小町くんが来るかどうか気にしていたので、ちゃんと連絡しなさいよ」と教えてもらって、もちろん NAIST 以外に行くつもりはそのときなかったので、急遽メールしたのだが、今考えると「合格したはいいものの、彼はうちに来ないかもしれないなぁ」と思われていたのかと思うと冷や汗ものである。

誰でも彼でもウェルカムなのかと思っていたらそういうわけでもないようで、なかなか難しい問題もあるのだなぁ。勉強ができてなんでも要領よくできる人より、「こんなものが作りたいんです!」というやる気のある人のほうがいい、という話は非常に共感する。プログラム書いたり論文書いたりするのはいくらでも手伝えるのだけど、やりたい研究がない、もしくは目標が定まっていない人を手伝うのはしんどい、という話。

いろいろと悩ましいものである……。